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読み切り

投稿 「減反拒否のすすめ」騒動顛末記

 1月25、31日とチラシを折込んだ。2月4日新潟食糧事務所本所から呼び出しがかかり出向いた。所長・部長に、東京では自主米センターなる場で市場メカニズムにもとづく価格醸成をやりながら、産地で一律減反の統制経済を強要するのは政策矛盾であること。減反が義務でない以上、減反に自主参加を呼びかけるチラシが食糧法に違反しないことなど、2時間話したが受け入れられず「厳重注意」処分の通知文書を渡された。

 同時に倉庫で保管している政府米全量を移動すると通知された。保管料収入を無くそうというのである。行政指導に名を借りた恥ずかしいイジメである。政府米出庫を根拠不明で拒否したことが、テレビ・新聞の注目を集めることとなった。新聞紙上で部長は処分に法的根拠がないと認め、山形大学楠本教授も越権と指摘した。

 しかし、農業者の反響は遅く鈍い。考える余地もなく受け入れるには余りにも重い割当だけにナゼだろうと思いめぐらしているのだが……。農業者は農協と行政に飼い慣らされ「怒り」を忘れてしまったか、それとも水呑百姓の血が自分だけ上手に立廻ろうとさせるのか。


 農協は単協も中央会もカゲグチは聞こえても正面からの抗議、論争はない。減反を推し進める大儀がないのだろう。食糧庁が自主米センターで計画外米の売買を企画して市場経済の旗を振り、農協と食糧事務所が一律減反で統制経済を押し付けている。木に竹を接いだ無理がほころびたのだ。

 当社は稲作農業者に恣意的な行政の限界を知らせ、同時に米流通の大変革を予測して画期的なコメ売買の構想を進めている。減反拒否の農業者の期待に応えたい。

 春が温かい風を運ぶ
 市場の時代の幕開けだ
 山に向かって海に向かって
 おおきな声で叫ぼう
 あたらしい村造りだと
        一九九八・二・一六

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