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田牧一郎のカリフォルニア稲作便り

記録的な降雨となったカリフォルニア稲作地帯です

エルニーニョによって、約150年前からの降雨量レコードを塗り変えられてしまった地域が北カリフォルニアに続出しました。昨年の収穫作業が一段落した10月終わり頃からその兆候が現れ、定期的に雨が降り(昨年のような大規模な洪水にはならなかったですが)1月の雨量は昨年を上回っていました。2月に入って洪水の被害があちこちで出始め、ここウイリアムスの町も洪水被害でテレビニュースの中継が行われ、私のところにも遠くの知人から安否を気遣う電話をもらったほどでした。
 エルニーニョによって、約150年前からの降雨量レコードを塗り変えられてしまった地域が北カリフォルニアに続出しました。

 昨年の収穫作業が一段落した10月終わり頃からその兆候が現れ、定期的に雨が降り(昨年のような大規模な洪水にはならなかったですが)1月の雨量は昨年を上回っていました。2月に入って洪水の被害があちこちで出始め、ここウイリアムスの町も洪水被害でテレビニュースの中継が行われ、私のところにも遠くの知人から安否を気遣う電話をもらったほどでした。

 幸い私のところは水に浸かることはなかったのですが、隣町への道路が冠水で1週間通行止めになったり、片側通行ができるようになっても水は道路を乗り越えて勢いよく流れており、ヒヤヒヤしながら運転することもたびたびありました。

 農作物に対する被害も各地で見られます。麦畑が長期間冠水して腐ってしまったり、果樹園の水がなかなか引かず、アーモンドやプラムなどが根ぐされやカビによる被害が心配されています。

 田んぼには昨年の収穫跡の稲わら以外何もない状態ですので、直接的な被害はないのですが、冠水して大量の水が田んぼを流れており、流木や土砂を運びこんでしまいました。その片づけ作業に時間をとられます。同時に施肥設計に大きな影響がでますので、冠水した田んぼでの栽培には神経を使うことになります。

 これから気温が上昇し、土が乾いてくれるのが普通なのですが、エルニーニョの影響がまだ残っているようですので、計画通り作業が進むかどうか心配です。


コメ作り農業後継者


 前回の号で紹介しました父親の水田を借り受けて、自分で稲作をやろうという隣町の新規就農予定者の話です。先日夕食を一緒にした時に話してくれたのですが、残念ながら今年はコメ作りを始めることができなくなってしまいました。

 彼が経営の試算をした支払い可能な借地料は、周辺の相場と同等で特に安いことはありませんでした。しかしそれより高額の借地料を支払うという生産者が彼の父親のところに現れました。しかもその生産者が提示した額は15%も高く、全面積にすると結構な額になります。

 土地を貸す方もできるだけ高い借地料が入る方がハッピーという事になります。そこで父親は今年1年間は高い借地料を支払う生産者に土地を貸すことになりました。

 残念ですが仕方ありません。これから新たにコメ作りを始める者にとって、高額の借地料では経営を成り立たなくしてしまいます。正しい判断だと思います。彼は来年に向けて勉強しながら、再度挑戦することになりました。

 農業を始めようとする時、仮に親子の間でもこのような厳しい場合もあります。

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