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【耕すということ】
ハウスの土壌を甦らせる耕法
- 農学博士 村井信仁
- 第28回 1998年04月01日
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ハウスでは高付加価値の農産物を栽培するのが普通である。施設費に投資しているので、当然のことと言えるが、高付加価値の作物が少ないだけに他の作物と輪作を組むことが困難であり、多くの場合、連作障害、忌地現象を発現させてしまっている。
そこで、土を入れ替えるのがよいと分かっていても、そう簡単ではない。良質の土壌を確保することも大変ならば、入れ替えの費用も少ないものではないからである。
太陽熱を使い、ビニールフィルムで覆って表層を高温にして消毒する技術も開発されているが、これも充分ではない。期間もある程度長くしなければならないことから、作物によっては、その時間が待てないこともあり、総てこれに委ねることはできないのであろう。
蒸気消毒が有効であることを理解しても、経費負担を強いられることからこれも容易に取組めるものではない。余程大きな施設に限られてしまう技術である。
そこで必然的に薬剤消毒に頼らざるを得ないのが現状である。薬剤を使うことはいろいろな面で弊害が出て論議の対象になる。費用負担の大きいのも問題である。最近ではこれまで使用されていた薬剤の製造中止も取り沙汰されており、かなり厳しい環境であると言える。
ボトムプラウが世界の耕起用具であるのは、それなりの理由があってのことである。反転・鋤込みによって疲労した土壌を下層に休息させ、再生を促すことからこれまで耕起の基本用具として生き抜いてきている。
そこで、土を入れ替えるのがよいと分かっていても、そう簡単ではない。良質の土壌を確保することも大変ならば、入れ替えの費用も少ないものではないからである。
太陽熱を使い、ビニールフィルムで覆って表層を高温にして消毒する技術も開発されているが、これも充分ではない。期間もある程度長くしなければならないことから、作物によっては、その時間が待てないこともあり、総てこれに委ねることはできないのであろう。
蒸気消毒が有効であることを理解しても、経費負担を強いられることからこれも容易に取組めるものではない。余程大きな施設に限られてしまう技術である。
そこで必然的に薬剤消毒に頼らざるを得ないのが現状である。薬剤を使うことはいろいろな面で弊害が出て論議の対象になる。費用負担の大きいのも問題である。最近ではこれまで使用されていた薬剤の製造中止も取り沙汰されており、かなり厳しい環境であると言える。
ボトムプラウが世界の耕起用具であるのは、それなりの理由があってのことである。反転・鋤込みによって疲労した土壌を下層に休息させ、再生を促すことからこれまで耕起の基本用具として生き抜いてきている。
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村井信仁
農学博士
1932年福島県生まれ。55年帯広畜産大学卒。山田トンボ農機(株)、北農機(株)を経て、67年道立中央農業試験場農業機械科長、71年道立十勝農業試験場農業機械科長、85年道立中央農業試験場農業機械部長。89年(社)北海道農業機械工業会専務理事、2000年退任。現在、村井農場経営。著書に『耕うん機械と土作りの科学』など。
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