ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

耕すということ

ハウスの土壌を甦らせる耕法

写真7 心土の耕起深
 スケール基準のバーが若干傾斜しているので、この場合は45cm程耕起していると判断できる。作土の耕起深は25cmであったので、心土は20cm耕起していることになる。心土の深さは第1ボトム(心土プラウ)を上下できるので、トラクタに余力があれば更に深くすることが可能である。

写真8 全面耕起した状態
 枕地も同様にして耕起すると全面作土と心土が入れ替わる。疲労した作土は役目を終え、5~6年下層で休息し、英気を養う。この耕法は層が厚いと言う前提で成立し、地下休閑、土地の縦利用である。新しく作土となる土壌は有機物に不足し、化学性に劣ることが多い。有機質肥料や土壌改良資材を投入しなければならないことは勿論のことである。

写真9 ボトムの高さ調整
 二段耕プラウは第1ボトム(心土プラウ)の高さを調整することによって、二連プラウとしても利用できる。撥土板の形状が異なるので完全に均一な耕起とはならないが、問題になる程のものではない。20ps以上のトラクタであれば、けん引できる。水田用のハイラグタイヤがけん引に威力を発揮する。

写真10 鋤き戻し
 耕起後4~5日放置すると、表面の土壌はよく乾燥する。乾燥したら、二段耕プラウを二連プラウにして耕起、一方に寄った土壌の鋤き戻しである。こうすることによって土壌はよく混和し、圃場全体が元の状態に戻る。同時にトラクタのタイヤによって心土は充分に鎮圧される。

写真11 新たに作付けされたミニトマト
 わが国の下層土の多くはpHが低く、燐酸吸収係数が大きいなどの欠点がある。また、場所によっては微量要素に不足する場合もあるので、土壌診断をしてそれなりの手当てをしてやることが肝要である。写真はそうした手当てをしたことによって、見事に生育しているミニトマトである。畦間の通路が白く見えるのは、貝殻石灰を投与したことによる。

写真12 健全な生育のミニトマト
 連作をすると、いろいろな手当てをしても忌地現象で作物は健全な生育を示さないものである。土壌消毒は多くの費用を要し、土壌の微生物相の変態を招くおそれがある。土を入れ換えると言っても、そう簡単ではない。二段耕は格安で土を蘇らせ、健全な農産物を生産する。

関連記事

powered by weblio