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むしろ何をうまく成就させたという事実よりも、それを目指しての困難の中での辛抱や様々な出会いを含む体験こそが宮本さんを育ててきた。お金は貯まらなかったが、困難の中でこそ人生にとっての宝物といえるものを蓄えることができるのだ。宮本さんの中にある宝とは、覚悟であり勇気であり、そして優しさだった。
若い頃まったく酒の飲めなかった宮本さんに「酒飲めないのは男じゃない」とからむ者がいた。屈辱的な言葉だった。一生懸命、酒を覚えようとした時代もあった。でも馬鹿らしくなって止めた。人にできないことをやろうとすること、人が尻込みすることを敢えてやっていくのが男ではないかと気付いたからだ。
何とかしなけりゃならないことがあるのなら、酒はともかく、サジを向けられたならそれを受けてきた。
能力はなくとも、どんな役目も逃げなかった。沢山の恥もかいてきた。そのこともまた宮本さんを育てたのだ。
技術や知識を別にすれば、親が子供に教えられることなど何もないのだ。
人は自らの体験や自ら学ぶことを通して、初めて自分以外の者の経験を受け継げるのだ。生きて行くこととはテストやクイズに答えることとは違う。それぞれの人生というテーマのなかで人それぞれに違う答えを出して行くことなのだ。答えは自分で出すしかないのだ。ただし、逃げなければ道は必ず見つかるのだ。
宮本泰勇さん
【プロフィール】
昭和24年生。関東地方の畑作地帯でハクサイ、バレイショ、ニンジンなどを作る大規模畑作野菜中心の経営を経て、現在は花壇花中心の農業経営。今、後継者の裕司くんの後継者教育に力が入っている。
若い頃まったく酒の飲めなかった宮本さんに「酒飲めないのは男じゃない」とからむ者がいた。屈辱的な言葉だった。一生懸命、酒を覚えようとした時代もあった。でも馬鹿らしくなって止めた。人にできないことをやろうとすること、人が尻込みすることを敢えてやっていくのが男ではないかと気付いたからだ。
何とかしなけりゃならないことがあるのなら、酒はともかく、サジを向けられたならそれを受けてきた。
能力はなくとも、どんな役目も逃げなかった。沢山の恥もかいてきた。そのこともまた宮本さんを育てたのだ。
技術や知識を別にすれば、親が子供に教えられることなど何もないのだ。
人は自らの体験や自ら学ぶことを通して、初めて自分以外の者の経験を受け継げるのだ。生きて行くこととはテストやクイズに答えることとは違う。それぞれの人生というテーマのなかで人それぞれに違う答えを出して行くことなのだ。答えは自分で出すしかないのだ。ただし、逃げなければ道は必ず見つかるのだ。
宮本泰勇さん
【プロフィール】
昭和24年生。関東地方の畑作地帯でハクサイ、バレイショ、ニンジンなどを作る大規模畑作野菜中心の経営を経て、現在は花壇花中心の農業経営。今、後継者の裕司くんの後継者教育に力が入っている。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
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