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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

内田孝明さん(熊本県阿蘇郡)の場合

 このようにずいぶんの量を投入してもpH5位にしかならないことが分かります。

 ここで、先程も申し上げましたように、pHをどこまで戻し、不足分を物理性や生物性でどうカバーしていくかが問われるわけです。

 pHと共に、土の酸化還元電位(Eh)を計ることをお勧めします。これは、例えば鉄がさびると赤くなりますが、土が鉄をどのくらいさびさせるのかを計るものです。湿田ではこの時期、排水性が悪いとガスが発生することがありす。同じ田圃でもガスの発生するところは、Ehが低く出ます。また、同じ水を張ったところでも、根腐れするところとしないところがあります。こういった違いを土壌の観点から見ることが必要です。

 皆さんも自分の土のpHやEhを計ってみて下さい。


圃場・改善のポイント/土のしくみ・はたらきを知る
泥炭土での水田転作


 水田転作に対して「全国とも補償」制度が導入され各地で積極的に取り組む姿勢がみられるようになっていますが、今回はそんな前向き経営者の一人、内田さんを訪ねました。

 減反率が50%近くなると、この転作も採算性や永続性のある取り組みが求められというものです。

 現在、水田として利用されているところの土壌が転作として有利か否か、その判断力を求められるのですが、その選択も不可能なら土地改良や土壌改良をしてでも転作導入を受け入れざるを得ないというのが現場の事情であるともいえます。

 今回の圃場は元来が低湿地帯であったために、そこに自生する植物の遺体が分解されてしまうことなく堆積して、厚い泥炭層となったところであり、全国に多く分布する泥炭土壌地帯の一つであるところです。

 地帯といっても北海道、青森、宮城に分布するそれとは違って、地形的に大面積ではありません。

 しかし、この地域で水田作をしている人々にとっては水稲以外の作付けとなるとかなりの知恵と労力を注ぎ込まないと転作はできません。

 この泥炭土は、土壌生成としては特殊な部類になりますが、生成条件と構成植物により大きく3種類に分類できます。

 (1)低位泥炭:ヨシ、スゲを中心とする比較的粗繊維の構成
 (2)中位泥炭:ヌマガヤ、ワタスゲが中心で、低位泥炭の生成された上部にできるもので性質も、低位・高位泥炭両者の中間を示す
 (3)高位泥炭:ミズゴケが構成植物の中心で、中位泥炭の上部に生成し、栄養分の供給はほとんどなく、雨水だけなので、ミズゴケのようなものしか生育できず、できる泥炭層も貧栄養なもので、また繊維質も細かくて扱いやすいことから、耕地としての利用よりも、採取して有機質土壌改良材としての利用性が大きい。

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