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特集

作る人、運ぶ人、売る人、調理する人
「食べる人のために、何を共有すべきか」

異業種の力を結集すると


辻: もう一つには、研究開発体制が不十分な企業が多い事もわかりました。

 共同研究についても限定的であり、研究開発の意欲はあっても、人と金の余裕がないという場合が多かったんです。

 そこで、我々通産省としては、まずはこの研究開発を支援しようという事での取組みを始めました。

後藤: 例えばどんな研究ですか。

辻: 「コスト削減に向けて共同で技術開発を進めた事例」ということで、肉屋さんの事例ですが、牛の半身を運ぶ時に、通常であればトラックに平積みして運ぶんですが、これは品質的にも衛生的にも良くないんです。

 しかし現実的には、倉庫に吊るしてある状態から、トラックに積む時には、人が運んで「ドサッ」と平積みしてしまっているんです。

 食肉業界は特に近年、O―157がらみで、衛生管理に非常に気を使っていますが、如何に工場内で充分な衛生管理をしても、運んでくる途中に肉と肉が触れ合ってしまったり、人が触れる機会が多くては意味がありませんので、それを改善する事が非常に重要なテーマだったんです。

 それで、吊るしておくのが一番良い方法だとわかってるんなら、吊るしたままトレーラーで運んでしまおうということになったんです。 

 そこで、肉屋さんと機械加工会社と、車体改造やコンテナ車を作っている会社などの異業種の会社が、4社ほど集って、通産省の補助金で「ミートトレーラー」というものを開発したんです。

 開発は結構大変だったようでしたが、各社、その分野ならではの技術を駆使して見事完成させたわけです。

後藤: 肝心の肉の品質はどうですか。

辻: これがとても良いです。衛生管理面でも大変評価されています。

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