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経営実験プロジェクト会議第1回研究会報告

6月26日。本誌主催の「経営実験プロジェクト会議」第1回研究会が「府県での高品質玉ネギ栽培の収穫機械化と新しい生産・流通・消費の創造」をテーマに、茨城県結城市で開催された。各地の農業経営者を始め、産地卸、商社、外食、小売業などの需要者業界関係者、そして機械メーカー、機械・肥料・資材販売業者など農業と食にかかわる様々な業界から46名が参加した。
 6月26日。本誌主催の「経営実験プロジェクト会議」第1回研究会が「府県での高品質玉ネギ栽培の収穫機械化と新しい生産・流通・消費の創造」をテーマに、茨城県結城市で開催された。各地の農業経営者を始め、産地卸、商社、外食、小売業などの需要者業界関係者、そして機械メーカー、機械・肥料・資材販売業者など農業と食にかかわる様々な業界から46名が参加した。

 今回の取り組みにあたっては、松山株式会社=長野県小県郡丸子町塩川5155・電話0268(42)7500=に、北海道工場より機械搬入して頂くなど全面的な協力をいただいた。また、石川治男氏=茨城県結城市=には作業と管理をお願いした。

 今回の企画は、農業生産構造の変化や玉ネギ生産の現状を念頭に置いて、府県の玉ネギ生産を単に生産者段階での生産技術や経営構造の変革だけでなく、流通段階を巻き込んだトータルな生産・流通の合理化方向を考えることにあった。

 そのためには、主体意識を持った農業経営者の存在を前提に、農産物の生産・流通の改革に自ら当事者として取り組む流通・消費企業が必要であるが、その共同作業によって農業経営と地域農業生産が発展し、農産物消費に新たな可能性を生みだすことができる。また、それは低コストで高品質の農産物を安定供給を可能にし、需要者業界や最終消費者にもメリットできると考えるからである。


全自動収穫機での実演


 玉ネギは、昨年11月10日に栃木県の南河内農協で育苗された苗10a分をみのる産業(株)を通じて本誌が購入し、石川氏の圃場にみのる式の移植機により移植した。

 前作にゴボウを栽培した圃場をプラウで耕起し、元肥にはぼかし肥「海の恵み」(紀文フードケミファ・本誌斡旋品)を使い、ハローで整地した。追肥も海の恵みを使い、防除作業はまったく行わなかった。多肥・大量防除が話題になる玉ネギであるが、防除をしなかったことでの目立った障害は見られなかった。無責任な発言は出来ないが、適正な土壌管理が行われれば、防除についても言われるほどの過剰散布をせずとも栽培が可能になるのではないか。手間を掛けられなかったために、機械除草や除草剤散布も全く行わなかったが、収穫作業時の圃場のあちこちに草が点在する程度だった。プラウ耕とゴボウの後作のためかと思われる。収穫作業ではその草のためコンベアに草が上がり邪魔であったが機械作業自体はスムースに行えた。しかし、メーカーの松山(株)によれば、コンベアのつまり等のトラブルの原因となるため、より厳しい除草が必要であるとの指摘があった。

 移植の遅れや施肥量の少なさのせいか、やや玉の小さいものも見受けられたが、参加者からは、手に持って重みを感じる良い玉ネギだという評価だった。

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