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農業経営者ルポ

夫婦で共有した農家であることの夢と理想

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第33回 1998年10月01日

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 これまでの結婚生活を振り返って、二人は口を揃えてこう言った。

 「我々には違う部分も沢山あるけど、生きていく上で大切にしているものがよく似ている。そして、二人が共通の目的や目標を持てるということが、我われにとって幸せで素敵なことだなと思っています」

 外山夫妻の場合でも、夫婦の間だけでなく、家族あるいは地域社会との関係の中で、思いどおりに理想を通してきたわけではあるまい。もちろん、お互いが我を張って生きてきたのでもない。

 二人の間には家族や農業というものへの夢や理想を共有できるという幸運はあったにせよ、そこには、お互いがパートナーの考えの違いを認める努力があったのだろう。また、両親や地域社会に対しても、他者に求めるだけではない外山夫妻の「生き方の努力」があったのではないだろうか。

 しかし、外山夫妻はどんな時でも正面から向いあい、自らを語りながら、相手に求める以上に自問し続けてきたのだろう。共に地域や社会あるいは両親や子供たちに精一杯の働き掛けをしながら、その葛藤の中でこそ愛情と共感を高めてきたのではないか。歴史を受け継ぎながら、後に続く者に「良かったね」と言われる未来を残すために。誰の指導でも指図でもなく、彼ら自身の生き方の誇りと責任を持った選択として。

 人生も家族も経営も、人によりその在りようは様々であろう。でも、これからの農村を中心となって作り出していくのは、自ら歴史を背負い未来に責任を持とうとする、自立した個人としての男であり女、そして自負を持つ農業経営者たちなのではないだろうか。


外山勝則・聖子夫妻

【プロフィール】外山夫妻は、帯広で36haの畑作農業を経営。ともに、国内外での「他所の飯を食う」体験を通して、自分を見詰め、他者を理解する生き方を身につけた。両親と4人の男の子の家族として、また農業経営者として、あるいは一市民として様々なボランティア活動や自らを高める様々な活動に参加する。整然とした畑、子どもたちの笑顔や花一杯の庭、訪ねてくる人々に、外山農場の家族と経営が見える。

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