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栄養週期理論を検証する

農家が自ら判断することの必要性

今回登場していただく山川先生は、農林水産省の試験を行っても、実際に農業現場で利用してもらわなくては、研究成果は無駄になってしまうという考えをお持ちで、試験研究と同時に現場への応用にも力を入れた活動をされています。
 今回登場していただく山川先生は、農林水産省の試験を行っても、実際に農業現場で利用してもらわなくては、研究成果は無駄になってしまうという考えをお持ちで、試験研究と同時に現場への応用にも力を入れた活動をされています。

 以前、先生とお会いした時に、追肥型の農業、「栄養週期理論」をお話したところ、「ごく当たり前の考えではないか」という答えがあり、また「追肥型の農業(栄養週期理論)を実践するためには、トータルな取り組みが必要だ」とおっしゃられていました。そこで今回の連載にご登場いただき、ご意見を頂こうと考えたのです。追肥型の栽培(栄養週期理論)が当たり前とはどのようなことなのでしょうか。


追肥できるものと、できないものがある!?


 「トマト、ピーマン、ナス、イチゴのような半年くらいで収穫するものは、途中で追肥していかないと木が持たない。(果樹も含め)作期の長いものに関しては追肥するのがごく当たり前のことじゃないかな」

 また、作物の生理に合わせた施肥も必要だと先生は考えておられる。

 「花のつく時期にチッソをやったら、花は落ちちゃうことがありますからね。作物の成長の周期にあわせて体を作る時期にはチッソをやって、花をつける時期にリン酸をやるというのは、常識的なことですよ」

 と語る。

 栄養週期理論の作物の生理に合わせた施肥体系については、基本的には当たり前のことであると語られるのですが、現在の栽培の体系の中では追肥できるものとできないものがあるとも言われる。マルチをしていれば追肥をしにくいし、サツマイモのように葉が地面を覆ってしまうような作物では、追肥のためにトラクタが畑に入ることも難しい。

 ホウレン草など葉菜類で40日くらいで収穫するものに関しては、コーティングされた肥料を活用するなどの方法で追肥にこだわらず元肥だけでも大丈夫ではないかと言われる。

 栄養週期理論は、施肥の体系の話だけでなく、経営を含めた技術の位置づけと作物に対する基本的な見方をトータルした理論ではないかと思うのですが、先生も「品種の改良も含めトータルで考える必要がある」と同様のことを語られる。

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