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特集

直播栽培をどうとらえるか

 転換した圃場を水田に復元するには、費用を要するとか、肥培管理が変わって対応が難しいとか言われるが、これは文句であり、真面目に対応する必要はない。畑作物を栽培することによって、乾田・乾土効果が発現し、その後の水稲は安定的に生産性が高いことが知られている。一方、水稲の後作の畑作物は水によって微量要素的なものが供給されているためか健全な生育を示すものである。

 田畑輪換によって除草の手間も少なくなり、生み出されるものは多い。これにシフトしないことは無駄の多いことを意味するものであり、省エネルギーの時代にあっては許されることではないであろう。ともあれ、原理原則に忠実にあって真面目に取り組みたいものである。

【ボトムプラウによる耕起】
 乾田直播を選択する場合は、先ず圃場の排水性を良好な状態にしなければならない。排水性が悪ければ十分に際度することも整地することもできない。結果として精密播種ができず、かつ、地温も上昇しないことから発芽にばらつきがでて挫折する。排水性を良好にするためには基本的にはボトムプラウによる深耕が優先する。25センチ以上の耕深が必要である。

【チゼルプラウによる耕起】
 数年に一度のことであれば、チゼルプラウによる簡易耕でも差し支えないであろう。チゼルプラウはスタブルカルチベータ-と呼ばれるように小麦などの残稈を土壌の表層に埋め込み、腐植を早めるために開発されたものである。チゼルを改良しているので25センチの耕起はできる。春先、作土の乾燥を促進させるためにチゼルプラウを用いることもある。

【改良チゼルプラウ(スタブルカルチ)】
 均一に耕起するために、チゼルの両側に刃板を設けている。条間隔は30センチであるので、底面をほぼ平らに耕起することができる。チゼルの上部は長く伸びてひねりが加えられている。下方から上がってきた土壌はここである程度反転鋤込みされ、残稈は土壌に埋め込まれて腐植が進む。

【レーザレベラ(バーチカルハロー付き)】
 スプリングタインで撹土されていると土壌は乾燥し、乾田直播の場合砕土しやすく、精密播種を可能にする。移植の場合でも代掻きが容易になり、そのぶん省力化を約束する。スプリングタインよりもさらに砕土能力をアップしたのがバーチカルハロー付きレーザレベラである。バーチカルハローは粘質土壌でも表層を砕土することには能力を発揮する。

【レーザレベラ(スプリングタイン付き)】
 欧米のレーザレベラ-は凸部の土を削り、凹部に運土を主体にしている。わが国の水田の場合圃場はそれ程広くはなく、凹凸の度合いも少ないので運土はそれ程多くはない。均平を主眼にするが、スクレーパで削った跡をスプリングタインで撹土し、さらに後続のコイルパッカで鎮圧するようにしている。レベラであると同時に播種床造成機である。

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