ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

福井県・片岡仁彦さんの場合

積極的に農業に取り組んでいる片岡仁彦さんは、遠隔の丘陵地の農業経営者、鈴木政太さん(福井市中角40-17)との経営上の協力関係を模索している。その鈴木さんのブロッコリー畑と、片岡さんの水田転作大豆畑を訪ねた。
既成概念を持たない農業こそが大事な技術を培う


 Uターン農業という言葉は、随分と以前からありますが、この内容は年を追って変化していると思います。

 農家の長男が、その家に継承された代々の土地を農業として営むことで、 Uターンが成り立つというようなことは、今や稀なようです。

 現実に収入の問題もあると思いますが、今から農業をしてみようとする人は、単に農業によって生活の営みができるというようなことではなく、自分の描く経営像の中に、一部自作地が有るといった感覚の人が多いようです。

 今回の片岡さんも、サラリーマンをやめて、4年前から農業に取り組み始めた人の一人です。

 本誌でも様々な機会をみて、農業者の異業種交流を力説していますが、この片岡さんとの話しの中にも、多くの他の業界の常識からみた農業界の閉鎖性や経営スピリットの問題が話題となりました。

 まず彼は、全体像を見渡すことに努めているようです。

 農業の生産から販売までについてもそうであるし、借りられる農地の選定、何の作物を作ったらよいか…など様々なゼロからの発想によって、模索していることがよく理解できました。

 何の仕事でもそうですが、この最初の段階における、既成概念を取り払ってからスタートすることの大事さは、最も重要なことです。

 特に今回は、土壌と施肥そして栽培体系についての現場ディスカッションが中心だったわけですが、あくまで基本を大事にして、知識を習得していくという姿勢が、これからの経営にプラスになるのだろうと思われました。

 まず、新規就農者やUターン農業者は、資金面において困難の第一段階にぶつかるのですが、この時多額の借入金によって、大型施設や重装備をしてしまうと、その後の行き詰まりが心配されます。しかしまずは、1反の面積で利益の出せない人が、何町歩広げても金儲けにはならないという原則をよく考えてみることが大事なのではないでしょうか。

関連記事

powered by weblio