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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

福井県・片岡仁彦さんの場合

 例えば、家を新築するのに、初めに住宅展示場へ行って自分にあった家や、そうでない家を見学することは大変参考になるはずです。

 これと同様に、農業も、まず他の人の経営をたくさん見せてもらうことが大切です。

 これが、10年、20年前の就農であると、どうしてもその地元、地域との強い連帯が第一で、遠く距離の離れたところの人がやっていることに興味を持つくらいのことはあっても、それは別の世界の話しであって、自分がそうなろうといったところまではなかなか考えなかったはずです。

 ところが現在の経営感覚を持った人は、片岡さんもその一人ですが、遠隔地の人と経営上のジョイントを考えているわけです。

 近隣の農業者とは、作物や作付体系、時期の問題等同一であるため、ジョイントして経営開始初期の資本やリスクを分担し合うことが難しいのです。

 そんな営農開始4年目の片岡さんは、経営仲間の鈴木さんと、様々な面で相談や、情報交換、将来の機械設備等の共有化も含めて自分たちが孤立化しないよう模索しているようです。

 鈴木さんの取り組んでいる6haの秋作ブロッコリーの圃場に案内されましたが、まず圃場全体を見廻しみて、すぐその不揃いな生育に気がつきました。

 生育の揃いがよいことが、まず障害を受けていない証なのですが、不揃いが一目でわかるくらいでした。また、圃場内の特定の場所が、まとまって悪い生育となっていました。

 このような現象は、湿害によるものであることが多いのですが、その推測が正しいか、土壌断面を調べてみました。剣スコップで掘り始めたところ、約20センチメートルのところに硬い耕盤があることが分かりました。

 このような障害をもった畑は、全国にいくらでもあるのですが、この調査やその原因をよく知ろうとする農業者は実に少ないのです。

 就農4年目、しかも農業をどうしてもやってみたいと、元々の厳しい条件の中で営農を開始した片岡さんは、素直な、先入観にとらわれない見方で、土壌断面を見ていました。

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