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エコトピアネットワーク
下に示した浅野悦男さんが主催する「エコトピアネットワーク」の農業経営者に向けた「呼び掛け文」を見ていただきたい。そこに、農業経営者・浅野悦男さんの農業と農業経営に対する理念が込められている。
浅野さんは、自分を育ててくれた神田市場の人々だけでなく、様々な産直や契約栽培、あるいは生産者のネットワークでの野菜流通に取り組んできた。多くの感激とともに苦い失敗も経験した。
個人のお客さん、市場の仲買業者、スーパーや外食業の経営者やバイヤー、そしてレストランや食堂の調理人たち。沢山の人々に出会ってきた。そして、お金を貰える仕事として自らの理念に従い、しかもそれを理解し、自分の生産物を望んで買い求めてくれる人たちとの関係を作って行くことの難しさをつくづく感じてきた。同時に、どこにも小数ではあっても浅野さんを理解し、浅野さんの野菜を欲しいと言い、売らせてくれという人々がいた。
自分の野菜は農水省の「有機農産物」だから選ばれるのではない。この作り続けてきた土、この栽培技術、そして何より美味しいと思うから、浅野さんの野菜だから買ってくれるお客さんや取引先との関係を作りたいと考えているのだ。さらに、同じ思いの各地の農業経営者たちがネットワークを組み、自らの責任で顧客の求めに答えられる基準を作り、情報を正しく伝え、顧客、取引先との納得の中で選ばれる野菜を作って売る仲間作りをしていこうと考えている。それが「エコトピアネットワーク」なのだ。
すでに、これまで続けてきた自分たちの流通チャンネルの仲間もいる。さらに、自ら営業し顧客との関係に責任を持って係わるにしても、生産者である農業経営者たちが日々の取引事務に時間をさくのは馬鹿らしい。理念を理解し、その事務を受け持って貰う受け皿も用意ができた。
浅野さんたちが作る、いわゆる「有機・無農薬栽培」では生産数量に限界があるしコストもかかる。それ以外にも、すでに浅野さんの作るコスレタスやルッコラをもっとたくさん供給して欲しいという注文もある。あくまで安全と安心、なにより品質において顧客に求められ、量産も可能な野菜を仲間の中で生産・供給する準備もしている。
食の文化の無いところには農業は育たない。良い買い手がいないと良い農家は育たないのだ。そして同時に、今、優れた農業経営者がいなければ、土や自然を正しく消費者に伝えることはできないのだ。浅野さんに共感する読者は連絡をされてみるとよい。(昆 吉則)
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