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読み切り

野菜高騰!!「供給しない責任」

本当の品薄・高騰時対策とは何か


 しかし、ちょっと待ってほしい。これが本当の意味での「フェイル・セーフ」なのか。2500円で契約したレタスを、1万円払ってでも仕入れる。納入業者は、日量100ケース納入していれば75万円、一週間で525万円もの欠損を出す。「それでも信用第一」だ。が、欠損しながら調達したレタスが、巻も悪く品質も悪い。小売店や外食業者は、売りにくい、使いにくい、そしてロスも多い。さらに肝心の買った客、食べた消費者からも文句が出る…。

 高騰した時でも、品薄の時でも、商品やメニューが変わらず提供される店、それが「店の信用」…。その背景に、無理とロスと欠損が累々と横たわる…、そんな構図があっても果して「信用」なのか、ということだ。それよりも、「高くて品質も悪いから提供しません」と正直に説明するほうが、よほど「信用」される、と思うのだが…。

 高いとき、品薄のときには「欲しがらない、求めない」というキャンペーンを行政や業界は行うべきであり、流通・供給側の本当のプロは代替の提案をいくつも用意すべきなのではないのか。「供給する責任」と「供給しない責任」を関係者は等しく持つべきだ。それによって、野菜の「フェイル・セーフ」は完璧になる。

 ただし、「万馬券を当てた」ような“喜び”に沸く農家と卸売会社に水を差すことは、確かに勇気のいることではあるのだが…。

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