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座談会

「農業経営者とは誰のことか!?」

本誌のタイトルでもある「農業経営者」。農業経営者にならなければいけない、ということで付けている。それでは農業経営者とは誰のことで、どのようなことをしている人のことなのか?新春特集として、自他ともに農業経営者として認める5名の方々、そして弊誌に連載もお願いしている東北大の大泉氏にも加わって頂き座談会を行った。司会役は本誌編集長・昆 吉則。
【出席者】

東北大学・農学部 大泉 一貫
北海道・生産者 小野寺俊幸
宮城県・生産者 伊藤 稔
千葉県・生産者 浅野 悦男
茨城県・照沼商店専務 照沼 勝浩
本誌編集長 昆 吉則


◆自分の生き方の発見

昆:今日はどうも皆さんありがとう御座います。今回は新年号で、「農業経営者とは誰のことか」と、いうことを特集にしたいと思い集まっていただきました。時代は変わってきています。皆さん方はそれぞれのお考えで農業経営を進めてこられているわけです。色々なタイプの経営があるべきだと思いますので、皆さんにとっての経営者についてお話いただければと思います。全体のまとめ役は大泉先生にお願いしたいと思います。

 それでは先ず浅野さんから自己紹介をお願いできますか。

浅野:では、ご指名ですので。現在私の仕事その物は一般的に言う八街市で地場野菜を作っています。昭和37年から農業始めたわけですが、その頃うちの地域は、麦と落花生という作付け体系でした。しかし先輩の中で、「これじゃ農業はいけない、野菜を経営に取り入れた方がいい」ということで、神田市場への野菜出荷を始めたんです。

 ちょうど35歳の時ですか、先輩方を差し置いて、組合長をやらせて頂いて、昭和55年に今の現状では駄目だということで、反対もありましたが予冷施設を導入し、それが結果的に良かった訳です。そして組織でやるのは若い世代の人達に任せました。じゃ自分個人はどうしようかと考えました。だんだん私も老齢化に向かって行くわけですから、重量物だけを作っていってこれを先何年できるかなっていう不安もあったし、そこで現在コスレタスなどの葉物類を一部入れて、やっています。しかし、いざ作ったは良いけれどどこに売るかっていうことになりまして、いかに売ることが難しいかっていうことですね。そんな時、知り合いの方で昔レストラン関係に生産物を収める業界にいた方がいて、自分が営業するとサンプルを持って、都内のイタリアン、フレンチのレストランをまわってくれて、ようやくめどがついたんです。すると今度は逆に加工屋さんから「うちでも扱いたい」っていうニーズが入ってきましたんで、じゃこれに対応するために生産者のネットワークを作ろうと思ったんです。自分と同じ様な考えを持って、責任の持てる人に集まって頂く。販売についても極力自分の販売能力を出してもらう。でも初めて作った人は差し当たって売り先が問題になるわけですから、とりあえずマネジメントは、私の知り合いの彼が受けてくれることになりました。出来るだけ無駄な経費をかけないでやろうという思い立ちで、今現在スタートしたばかりです。

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