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座談会

「農業経営者とは誰のことか!?」

 伊藤さんがお話になったように私も選択じゃなくて、もう強制的に家業を手伝うようになったわけですけど、実際に仕事について真剣に考えるようになったのは10年過ぎたあたりからですね。その時周りを見渡してみると、皆専門知識を持ってプロとしてやっている。それならというんで私は生き物が好きだったので生産のプロになろうと。で、今現在牛の肥育を100頭ほど、水田が約2ヘクタール、そのほかにメインのサツマイモが年間3000t。干し芋も600t~700t、年商が約10億円前後というところです。

 正直ここ10数年、流れがかなり変わってきたと感じています。ちょうどその頃、私も仕事を始めて10年過ぎた頃で、自分の生きる道について考えるようになっていました。そして商売の方に一生懸命になりまして、特に生産の部分、と言うかいろんな物を作ることに興味を持ち出しました。世の中は自然食ブーム、「安全」と言われ始めた頃でした。当時自分がやってたのも、生産農家がやってるのも農薬をどんどん使い、味よりも形を良くする生産でした。これじゃいけないということで何年か前から若い農業者を集め、本来好まれる物を作る栽培技術を持とうじゃないかという話をしたんです。でも、特に最近は私たちの地区でも都市化が進み農地が今まで以上に財産価値を持ってきていますので、そんなことをしてまで作物を作ろうという農家が少なくなってしまってうまく行かなかったんです。それじゃ干し芋の一次加工の部分でもっと機械化し、生産性をあげようとしました。しかしこれも“共に”にということは無理だなと断念しました。結局、共に出来ないならうちだけでもと、私たちの会社は思いきってオートメーション化し、経営に役立てています。今日は農業その物を多方面から勉強したいなと思っております。


◆夢を語ることのできる農業


昆:浅野さんもそう。そして小野寺さんと伊藤さん、あるいは照沼さん、単純に規模の問題売上金額の問題を見ますと凄く違いがあるように見えるんですが、実は共通して皆さん同じ物をお持ちではないのかなと思うんですが、大泉先生お聞きになってどうお感じになりましたか。

大泉:皆さん仰っているのは自分の生き方だと思います。自分の生き方を発見されたんでしょうね。あるいは発見している過程なのかもしれない。今の仕事が自分の生き方だと、それを発見して一生懸命になっているということは共通しているんだろうと。

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