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座談会

「農業経営者とは誰のことか!?」

小野寺:我々もずっと農業をやり続けてますけど、こんなに非能率的な企業は無いと思っているんです。採算度外視で機械なりに投資をしながら牛を飼ったり、あるいは畑をやったり水田をやったり。でも漠然とではなくて、自分の思いを掲げた人だけが達成できる農業経営というのはあると思うんです。

 北海道に、「北海道土を考える会」という、当初は夢を語る農業者が北海道から数十人集まってスタートし、今は北海道の何千人もの経営者の人達がそこに参加してきて夢を語る会があるんです。そこの中でいつも議論となるのは、規模が大きいから素晴らしいとか、小さいから駄目なんじゃなくて、経営が小さくても大きい夢があれば良いんじゃないかということなんです。

 今の若い人達は夢を語らないんですね。語れないっていうか。でも夢なり思い入れなりを追い続けることのできる職業というのが農業なのかなと思います。農業経営なんていうのは経営学を勉強したり、マネージメントしてもらえれば出来るんじゃなかろうかと思うんですよ。だけどもそこにもっともっと深い意味の、農業経営があっていいじゃないかなと思っているんです。

大泉:でもやる気を出させたり、夢を見る気持ちを助成する仕組みっていうのは無いんですよね農業には…。だから農業以外の人達の方が農業に対して夢を持ってたりしてね。

 この頃ね、農業者が夢を語らなくなった一つの理由は、農業経営学がいろいろ分化していって、農業のこう言った部分が大変だとか、こう言った部分が辛いとかいったことが、白日的に解明されたというか、いろんな部分で外野から言われすぎちゃって農業が夢を語ることが出来なくなったんだと思うんだ。

小野寺:でも、一方で知恵というのは大変になればなるほど、出ますよね。自分は農業経営の中でいつも災害と隣り合ってるんです。雨が降ればどうすればいいか、台風が来たらどうするか、危機管理とかいろんな物に対する知恵が出てくるんですね。昆: それがね、経営者だと思うんですよ。

大泉:だから困難に遭うっていうのは逆にステップアップのための知恵を出すためのきっかけなんだろうと思うんですね。だから僕らみたいなのがね、大変だ大変だってね、所得補償されなきゃどうなんだとかね、言わない方が良いのかも知れないね。

昆:伊藤さん今のことについてどうですか。

伊藤:いやぁ、まさに私はその苦しみの真っ只中にいるんですよ。子供もいますし将来を考える。でも、考えすぎると守りに回ってしまうんですね。

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