ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

座談会

「農業経営者とは誰のことか!?」

 今の生活も守りたいし、投資してもっと良い経営にもしたい。でも頭は一つしかないのでうまく考えがまとまらない。頭の中をいくつかに分割しないとどうもうまく行かないなということで、分割し始めているんですね。

 結局、投資なんですよ。自分をいじめるわけじゃないんですけども、技術もないのに投資するものですから、自分で自分をいじめるわけですよね。でもそうするとまさに仰るように目標が定まってくるんです。いじめられることで頭の中がバージョンアップしていく。

大泉:今のままでは面白くない。だから何かしようと沸沸と中から出てくるんだよね。与えられてね、あれやりなさい、これやりなさい、こうやった方が儲かりますよっていうふうに与えられて出てくるのではなくて、内面からこう沸沸と出てくるのが、僕は経営者の最低条件だと思いますね。

 それともう一つは結局経営はさっき知恵だとか何か言ったけれども、自己責任でリスクを背負うといった行為をやらないと経営者にはなれないだろうと思うんだよね。そういうことからすると、今の農業者になる仕組みはまずいんだろうと思うんだ。農家がそのまま経営者になるシステムでしょ、今。その生まれで、農業者を社会の中で特定しているわけだ。そうじゃなくて、やる気によって、夢を語れる人かどうかによって、選別すべきなんだよね。そうしないとやる気のある人がリスクを負って自己責任で投資するという行動ができなくなっちゃうんだよね。資格だとか、形態だとかで農業者を決めるシステムは早く転換しなきゃいけないって僕は思ってるんだけれどもね。


◆農業政策が農業をダメにする


昆:今、農業っていうのは「基本的に絶対食えない」だとか、「儲からない」だとか、「大変なんだ」とか、「農家は気の毒なんだ」とか、そういうことが前提になって農業政策やいろんな事があるんじゃないのかなと思うんです。うまくいくかいかないかは、単にその人の能力の問題に過ぎないことなのに。他の産業社会、他の職業では当たり前のことが、農業界では特別なことになっている。開発途上国型の農業政策です。皆さんは別の分脈を持ってやってきている訳ですけど、その辺の事で何かお感じになっていることはありますか。

浅野:そうですね、農業っていうのは生命維持のため、一番の基幹産業なんですよ。それだけ国にとって大事な物であり、国民にとって大事な産業なのに、突き詰めていくとどうも辻褄の合わないことがいっぱい出てくる訳ですよ。主食の米一つとっても「減反しなさい」、そして一方では「輸入」、誰でもおかしいことはわかると思います。

関連記事

powered by weblio