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座談会

「農業経営者とは誰のことか!?」

大泉:町場ではそんなことないですよ、たぶん。農家集落は生活者の集まりだから難しいですよ。


◆厳しい北海道型農業、そして農協…


昆:府県から見ると北海道ってやっぱり別の国というところがあるんです。そこでの経営者の存在って大変なものを背負っていらっしゃるなと思うんですが。その辺のことを言いづらいことがあるかもしれませんが、小野寺さん皆さんにお聞かせいただけますか。

小野寺:北海道の経営者というのはやっぱり農業経営そのものがだめになると即そこから撤退という形まで追い込まれます。地を守るっていうか、土地を守るという観念がないわけですから、イコールそこで破産ですよね。そこまで厳しい中での農業経営を強いられています。北海道全体が一次産業しかない。農業も漁業もそこで何とか生計をたてていかなければならないという厳しさをずっと持っているわけですよね。だから経営能力が即負債に。「たくぎん」がだめになったように北海道ていうのはみんなああいうもんなんですよ。それだけに経営者能力っていう部分では本当に厳しいものを持っていないと生活が成り立たない。でもだからって昨日まで大農経営をやっていた人が、収益のあがる花やなんかにしようというわけにもいかないんです。本当にその地で、その土地にあったものを作って、はじめて自分の経営が成り立つという厳しさを持っているわけですよね。

大泉:北海道はですね、花だとか野菜だとかにすぐ転換するというのはまだまだだろうと思いますよ。政府管掌作物をお作りになっているというんだけど、政府管掌作物はもう面積で勝負するより他ないですから。、そうすると質ですよね。それでいい製品を作ろうという、あたかもその工場長のようなね、そういった性格の経営者なんだと思うんですよ。そうするとその工場長のような経営者にとってはね、世界を見て例えば北欧のデンマーク型の農業っていうか、そういう道が一つあるだろうと思っているんです。それは何かって言ったら、マーケティング戦略するのは農協ですよ。ホクレンですよ。で、ヨーロッパのその農業協同組合は形態で運動体じゃないですから、例えば食品産業ではネッスルなんかと対等に競争する訳ですよ。そのためのノウハウをいっぱい作って、農家に対してもすごくシビアなものを要求していく。しかしその農家自身も数は減っていくけども支える訳ですね。この農協と一体化した農業経営っていうシステムは北海道で作れるんだと思うんですよ。でも経営者感覚はなきゃいけないっていうことは共通している訳ですけどね。

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