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中国野菜は日本の15倍安全!?

このままでは国産より、中国産が農産物の“安全の証”になってしまう!

  • 農業ジャーナリスト 浅川芳裕
  • 第1回 2010年10月19日
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今年、中国のGAP認証農場数は概算で2,000を突破した。これは、日本の代表的なGAPであるJGAP認証農場の2倍である。世界が認める基準で、第3者が認める“よい農業のやり方”をする中国の農家は、日本の農家より2倍いることを単純に意味する。認証面積でいうと、その差はすでに約15倍である。

私は、日中の緊張関係にとみに危機感をいだいている。
テーマは、GAPである。

今年、中国のGAP認証農場数は概算で2,000を突破した。これは、日本の代表的なGAPであるJGAP認証農場の2倍である。

GAPとは、世界スタンダードの“よい農業のやり方”だ。従来の“自己申告による”よい農業ではない。

GAPは、“第3者がよい農業かどうか審査、認証する”仕組みで、成り立っている。だからこそ、世界標準になった規格である(もとはヨーロッパ人がつくった)。

つまり、世界が認める基準で、第3者が認める“よい農業のやり方”をする中国の農家は、日本の農家より2倍いることを単純に意味する。

認証面積でいうと、日本がようやく3,300ヘクタールに達したのに対し、中国は42,500ヘクタールを超えている。その差はすでに約15倍である。

GAPの認証農場とは、日本のGAP=JGAPを例にあげれば、

【1】農産物の安全
【2】環境への配慮
【3】生産者の安全と福祉
【4】農場経営と販売管理

の4テーマの基準をクリアしている農場である。

徹底すべき農場管理のポイントをまとめた審査項目(128)が設定され、これらの項目は、「必須」、「重要」、「努力」に分かれている。認証を受けるには「必須」(米28、青果物31)の100%、さらに「重要」(米70、青果物63)の95%をそれぞれクリアする必要がある。

これに比べて、中国のGAP=ChinaGAPの基準が決して緩いわけではない。JGAPと同じく、一定の審査によって、グローバルGAPと同等性認証を得ることができる、国際的に認められた同等のGAPである。

中国のGAP認証面積が約15倍とは、要するに、「中国は“安全で、環境に配慮し、生産者の安全と福祉の基準をクリアした”農産物を、日本の15倍も生産している」ということだ。これが疑いようのない現実である。

この背景には、中国は政府主導でChinaGAPを推進し、専門家を育て、多数の教本やマニュアルが出版され、中国全土の農場で普及を行なってきた実績がある。

対する、日本では、中国のGAPより完全にレベルの低いGAPが各県やJAで独自につくられ、乱立している。世界にまったく通用しないどころか、中国の消費者にさえ受け入れらない代物だ。

さらには、GAPを正しく解説する書籍さえ、今春まで日本には一冊も存在すらしていなかった。

GAP解説書が中国全土で波及するなか、日本の農家はGAPの情報を得る手段さえ持っていなかったのだ。実戦の前に、情報戦の段階で、日本は完全に敗北している。

あたふたしているこの今も、中国ではGAP認証農場は増え続け、日本列島に照準を絞った貨物船に、中国産農産物は搭載されている。

この状況は、緊張関係とは呼べない。
ただ、日本の農業界が座して死を待っているだけである。
このままでいいのか。
いいはずがない。
(次回に続く)


ご意見ご感想お待ちしています。
下記の「コメント」から書き込みください。


【備考】

まずは、情報戦からとお考えの方

GAPとは一体なのか?
なぜ必要なのか?
どうしたら取得できるのか?
取得した農場は何が変わるのか?

がはっきりわかる
▼JGAP初の「公式解説書」「導入ガイドブック」
農場管理を“見える化”し、食の安全を確保するJGAP シリーズ1・2

丹羽宇一郎・中国大使~推薦~
「農業と流通業、これらのビジネスの常識が変わるかもしれないな、そんな感想を持った一冊だ。」(書籍の帯文より)

が当社から出ました。


『農業経営者』はこの現実を3年前に、予見していました。

日本の先を行く中国GAP事情を直視せよ! 「中国食品は危ない」との報道が過熱するなか、中国農場の実力を見誤るな」(2007年11月1日掲載)
※無料でご覧になれます

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