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特集

今、こんな品種が求められている!?

 「トマトについていえば、日本は世界の基準とはだいぶ違う」(種苗メーカー関係者)というのが世界的な見方だ。しかしだからこそ、そこに現在流通しているトマト以外の、潜在的需要が存在する可能性がある。

 時代に流されるのではなく、流れを読み、新たに求められるものを見極め、経営に取り入れていく積極性も必要ではないだろうか。


サンクックトマトについてのお問い合わせは、株式会社サングローブフード(〒143-0001東京都大田区東海3-9-1・7FTEL03-5492-3962 FAX03-5492-3960)


プロのお母さんが選んだ美味しさを、種苗会社、市場、量販店などが協力し育てた「味来390」


 「ねえ、あのすごーく甘い美味しいトウモロコシ知ってる?」と消費者のお母さん達に口コミで伝われば、売れることが保証されたも同然だ。パイオニアハイブリッドジャパン株式会社の「味来390」というトウモロコシは、試験販売で店頭に並べると直ぐに売れてしまう。しかしここまでくるには、やはり紆余曲折があった。

 「実際に生産者の方に我々が営業する時は、『味来は発芽率が低いんですよ、熟期は早くないですよ、物は小さいんですよ』と本来営業の人間が言うこととは全く反対のことを言わなければならないんです。

 これだけ聞いたらそんなトウモロコシを作ろうなんて思う人はいません。でも、本当のことを言わないわけにはいかなかったですからね」と「味来」を試験栽培し始めた3年前のことを語ってくれたのは、パイオニアハイブリッドジャパン株式会社園芸種子プロジェクトマネージャーの中村敏行氏だ。

 ハッキリ言って初めて「味来」の営業をした時には、「こんなもの本当に売れるのか…」と思ったという。今まで営業として言ってきた宣伝文句とは全く逆のことを言うわけだから、それも当然だ。しかし、中村さんを勇気づけたのは、パートできているお母さん達の「このトウモロコシ美味しい」という言葉だった。

「お母さんたちはプロ?の消費者ですから、彼女達が『美味しい』と言ってくれて、また食べたいと言ってくれるんだから『味来』はいけるんじゃないかと思いました」

 確かにお母さん達は、消費者としてはプロだ。彼女達の舌を満足させることができれば彼女たちはリピーターとなってまた「味来」を求め、スーパーの売り場に足を運んでくれる。

 それは現実となった。昨年、味来を試験販売した時のことだ。試験販売第1日目、店頭に並べた「味来」は普通の売れ行き。しかしその翌日には、「味来ありますか」というリピーターのお母さんがたくさん来店したのだ。「トウモロコシありますか」ではなく、「味来ありますか」と指名してくれた。他のトウモロコシよりも値段が高いにもかかわらずだ。この時、中村氏は、「これはいける」と思ったという。

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