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生産者、量販店、市場が協力して弱点克服
しかし、いくらお母さん達が「美味しい」と評価してくれても、発芽率が低いこと、熟期が遅いこと、出来上がった物が小さいことは、生産者にとっては三重苦だ。熟期については味の良さでカバーできるが、特に発芽率と大きさの問題については問題が残った。
しかし、この大きな問題も徐々に解決?に向かった。生産者の方たちをはじめ、市場の方、流通の方が「味来」を何とか消費者に届けようと協力してくれたからだ。
まず発芽率を含めた生産技術については、実際に栽培してくれた農家の方たちが「こうしたらうまくいった」「こんな失敗をしてしまった」などという体験レポートを送ってきてくれた。
中村さんはこれをまとめて、手製の「栽培の手引き」「味来390 播種作業上の注意」「味来390 上手な収穫のポイント」の資料集を作った。それを新たに栽培に挑戦する生産者の方々に配っている。そしてまたレポートが送られて来る。
そうして作った資料集は最初3ページほどだったものが、生産者からの貴重な情報を蓄積していくうちにだんだん増え、今では20ページを超える大作となった。
「物が小さい」という問題については、市場関係者が対応してくれた。味来は今までのトウモロコシの規格からすれば、2L規格(千葉県の場合380g以上)にならない物がかなりでてしまう。これは生産者にとっては大きなハンデだ。そこで千葉県では、「味来に限り、250g以上を2Lとする」ことにした。味来のために、他のトウモロコシとは違う規格を新たに作ったのだ。こうすることが当然値段にも反映し、生産し易くなるからだ。
「本当に各地の生産者の方たちや、経済連さん、農協さん、そして市場の方や、量販店の方たちに協力していただけるんで助かっています。既存の規格や栽培方法ではうまく行かないところがありますから。これは、私たち種苗メーカーではどうにもならないことで、皆さんの御協力なしではどうにもならない。
『消費者の方々に味来を食べてもらいたい』という気持ちを、私たちはもちろんですが、流通関係の方も、小売りの方も、皆さんが持っていただいてるということだと思います。私たちは消費者の方々に、美味しいものを食べてもらおうと思っています。そのために関係する皆さんと一緒にいろいろ考え、努力する、これは素晴らしいことだと思います。この協力関係は、今まで中々できなかったことです」
現在の課題は6月から10月までの期間を通して供給できるような産地を作ること。とは言っても、「味来」は食味を追求した結果、種の生産力が弱いというハンデを持っているため、思う様に種を供給できていないのが現状だ。
「十分種を供給できる状態ではないのが現実です。しかし、今はできるだけ多くの産地で作っていただいて、できるだけ安定供給をしたいと思っていますので、新たに栽培していただく産地の方には、優先的にお願いしたいと思っています」と中村氏は言う。 もちろんまだ全ての問題がクリアーになったわけではないが、「消費者の方々に美味しいものを食べてもらいたい」という共通の認識で多くの人たちが協力し育ててきた味来。これまで以上に注目したい品種だ。
◆「味来」についてのお問い合わせは、パイオニア ハイブレッド ジャパン株式会社 東日本営業所
(〒105-0001栃木県宇都宮市東簗瀬1-5-7 TEL028-638-8990 FAX028-638-8998)へ
しかし、いくらお母さん達が「美味しい」と評価してくれても、発芽率が低いこと、熟期が遅いこと、出来上がった物が小さいことは、生産者にとっては三重苦だ。熟期については味の良さでカバーできるが、特に発芽率と大きさの問題については問題が残った。
しかし、この大きな問題も徐々に解決?に向かった。生産者の方たちをはじめ、市場の方、流通の方が「味来」を何とか消費者に届けようと協力してくれたからだ。
まず発芽率を含めた生産技術については、実際に栽培してくれた農家の方たちが「こうしたらうまくいった」「こんな失敗をしてしまった」などという体験レポートを送ってきてくれた。
中村さんはこれをまとめて、手製の「栽培の手引き」「味来390 播種作業上の注意」「味来390 上手な収穫のポイント」の資料集を作った。それを新たに栽培に挑戦する生産者の方々に配っている。そしてまたレポートが送られて来る。
そうして作った資料集は最初3ページほどだったものが、生産者からの貴重な情報を蓄積していくうちにだんだん増え、今では20ページを超える大作となった。
「物が小さい」という問題については、市場関係者が対応してくれた。味来は今までのトウモロコシの規格からすれば、2L規格(千葉県の場合380g以上)にならない物がかなりでてしまう。これは生産者にとっては大きなハンデだ。そこで千葉県では、「味来に限り、250g以上を2Lとする」ことにした。味来のために、他のトウモロコシとは違う規格を新たに作ったのだ。こうすることが当然値段にも反映し、生産し易くなるからだ。
「本当に各地の生産者の方たちや、経済連さん、農協さん、そして市場の方や、量販店の方たちに協力していただけるんで助かっています。既存の規格や栽培方法ではうまく行かないところがありますから。これは、私たち種苗メーカーではどうにもならないことで、皆さんの御協力なしではどうにもならない。
『消費者の方々に味来を食べてもらいたい』という気持ちを、私たちはもちろんですが、流通関係の方も、小売りの方も、皆さんが持っていただいてるということだと思います。私たちは消費者の方々に、美味しいものを食べてもらおうと思っています。そのために関係する皆さんと一緒にいろいろ考え、努力する、これは素晴らしいことだと思います。この協力関係は、今まで中々できなかったことです」
現在の課題は6月から10月までの期間を通して供給できるような産地を作ること。とは言っても、「味来」は食味を追求した結果、種の生産力が弱いというハンデを持っているため、思う様に種を供給できていないのが現状だ。
「十分種を供給できる状態ではないのが現実です。しかし、今はできるだけ多くの産地で作っていただいて、できるだけ安定供給をしたいと思っていますので、新たに栽培していただく産地の方には、優先的にお願いしたいと思っています」と中村氏は言う。 もちろんまだ全ての問題がクリアーになったわけではないが、「消費者の方々に美味しいものを食べてもらいたい」という共通の認識で多くの人たちが協力し育ててきた味来。これまで以上に注目したい品種だ。
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