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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

静岡県・萩原修さん、一亮さん親子の場合

 そして、酸素と水のバランスを最優先して土壌が整えられると、実は、作物根は土壌中から必要成分をかなり上手に吸収してくれるのです。

 さて、この石垣イチゴは、観光農業として成り立っているので、週末や連休日には多くの大事なお客さんを受け入れられるようイチゴの着果状態を保つ苦労があるのです。

 このための留意点は、やはり根を常に活性化させることで、地上部の開花、着果、熟成という段階をスムーズに進行させることにあります。

 また、観光農業ですから、よいイメージを作っていくための苦労も多くあります。その一つに、甘い香りをハウス一杯に漂わせる魅力を失わせる、ハエの発生への対処があります。

 これは、この石垣イチゴの地域の問題でもありますが、夏の終わりの定植準備期に有機配合肥料の発酵、腐敗が起こり、ハエの発生が起こる第一の原因となっているのです。

 萩原農園では、有機系の資材を上手に使っていて、また量的にもハエ発生を助長しない工夫をしているとのことでした。それによって全く気にならない状態を保持していると感じました。

 つまり、私たちや一般のイチゴ狩りの観光客にとっては意識しないと気づかないことですが、萩原農園には、無理のない循環農業が何十年、いや、それ以上の年月に培われ、代々の哲学を感じました。

 この石垣イチゴの産地は、実は、冬期の静岡という地の観光の目玉なのですが、地元の人からは、味は今一つと言われています。しかし、萩原農園のイチゴの味は、すばらしく納得のいくおいしさでした。これはお客さん第一主義が生んだ結果と言えるでしょう。観光農業は、単に市場に出すより利益が得られるなどという安易な農業ではないことを強く意識させられた次第です。

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