記事閲覧
【土壌別経営診断うちの土ではどう作る?】
三重県・伊藤哲男さんの場合
- 農業コンサルタント 関祐二
- 第27回 1999年03月01日
- この記事をPDFで読む
単に排水性だけでなく、微生物相に片寄りを生じさせないことが、植物の老廃物に対処するときのキーとなる。野菜と較べ、深部へと根のはる緑化木の場合、心土層の改良がより必要となる。
関 拝見すると、とても印象的な黒ボクですね。しかし、火山灰性の黒ボクではありません。火山灰性のものとは色が違いますね。それに、ここの土には海か川から運ばれた重い礫が混じっています。火山の礫だともっと軽いはずなのです。
非火山灰性の黒ボクは、日本の中でも非常に貴重なもので、スポット的に存在するところはあるのですが、これだけ広範囲かつ厚くあるのは本当に珍しいです。
何が違うのかと言うと、この土はモンモリロナイトという肥料の保持力が普通の5倍近くもある粘土鉱物が含まれているのです。
伊藤 保肥力が高いということは、緩衝能が高いということですね。
関 その通りです。三重県のお茶の栽培では窒素分を150kgも入れるそうです。通常であれば問題が出るはずなのですが、その保肥力が問題を生じさせなくしているのかも知れません。
伊藤 この辺は厚いところで50~60cm薄いところで20cm位黒ボクがありますが、連作の問題はあります。うちではヘイオーツや菜種を前作としてやり、プラウとかサブソイラを入れて連作が可能になりましたね。
関 やはり作物は、野菜の場合もそうですが、深い部分の改良をしないと、表土の本当の機能が出てこないですね。
排水性や微生物相のことを考えると、心土を改良することによって表土が改良されるわけです。ですので、黒ボクの下を見る必要があるでしょう。
野菜で心土層の改良が必要なのですから、緑化木の場合、あれだけの体を支えるわけですから、更に必要となると思うのです。
それから、心土層の改良に関連して、最近植物の出す老廃物が問題となっています。
老廃物を出すのは、動物だけではなく、植物も出すのです。動物は移動しますが、植物はその場所から動けないわけです。ですので、心土を改良するということは、単に排水性をよくしたり酸素を供給したりするだけでなく、老廃物を流すという機能もあるのです。
関 拝見すると、とても印象的な黒ボクですね。しかし、火山灰性の黒ボクではありません。火山灰性のものとは色が違いますね。それに、ここの土には海か川から運ばれた重い礫が混じっています。火山の礫だともっと軽いはずなのです。
非火山灰性の黒ボクは、日本の中でも非常に貴重なもので、スポット的に存在するところはあるのですが、これだけ広範囲かつ厚くあるのは本当に珍しいです。
何が違うのかと言うと、この土はモンモリロナイトという肥料の保持力が普通の5倍近くもある粘土鉱物が含まれているのです。
伊藤 保肥力が高いということは、緩衝能が高いということですね。
関 その通りです。三重県のお茶の栽培では窒素分を150kgも入れるそうです。通常であれば問題が出るはずなのですが、その保肥力が問題を生じさせなくしているのかも知れません。
伊藤 この辺は厚いところで50~60cm薄いところで20cm位黒ボクがありますが、連作の問題はあります。うちではヘイオーツや菜種を前作としてやり、プラウとかサブソイラを入れて連作が可能になりましたね。
関 やはり作物は、野菜の場合もそうですが、深い部分の改良をしないと、表土の本当の機能が出てこないですね。
排水性や微生物相のことを考えると、心土を改良することによって表土が改良されるわけです。ですので、黒ボクの下を見る必要があるでしょう。
野菜で心土層の改良が必要なのですから、緑化木の場合、あれだけの体を支えるわけですから、更に必要となると思うのです。
それから、心土層の改良に関連して、最近植物の出す老廃物が問題となっています。
老廃物を出すのは、動物だけではなく、植物も出すのです。動物は移動しますが、植物はその場所から動けないわけです。ですので、心土を改良するということは、単に排水性をよくしたり酸素を供給したりするだけでなく、老廃物を流すという機能もあるのです。
会員の方はここからログイン
関祐二 セキユウジ
農業コンサルタント
1953年静岡県生まれ。東京農業大学において実践的な土壌学にふれる。75年より農業を営む。営農を続ける中、実際の農業の現場において土壌・肥料の知識がいかに不足しているかを知り、民間にも実践的な農業技術を伝播すべく、84年より土壌・肥料を中心とした農業コンサルタントを始める。 〒421-0411静岡県牧之原市坂口92 電話番号0548-29-0215
土壌別経営診断うちの土ではどう作る?
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)