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農業経営者ルポ

遠くの友が村に勇気を連れてくる

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第39回 1999年04月01日

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2月27日。那覇空港離島向けターミナル。北大東島に向かう琉球エアコミューターRAC867便の搭乗客を乗せたバスに向かって二人の男が走っていく。筆者と大荷物の撮影機材を担いだ宇佐見カメラマンだ。
 2月27日。那覇空港離島向けターミナル。北大東島に向かう琉球エアコミューターRAC867便の搭乗客を乗せたバスに向かって二人の男が走っていく。筆者と大荷物の撮影機材を担いだ宇佐見カメラマンだ。

 「オーイ、置いてくぞーッ」

 はやしたてる笑顔の面々はヤキモキしながら我々の到着を待ちうけていた。「有機物循環農法研究会」九州支部(重岡達雄支部長)のメンバーである。九州だけでなく茨城、東京、静岡からも参加者のいる今回の春季研修旅行では、867便に乗り合わせて皆が合流することになっていた。二人は東京からの飛行機が延着し、危うく1日1便の北大東島便に乗り遅れるところだったのだ。

 春季研修会の目的は、北大東島在住の会員である上地勝也さん訪問と、沖縄本島の農業視察。

 ところで、「有機物循環農法研究会」(近藤牧夫会長=愛知県・事務局=農業技術通信社)とは、スガノ農機が募集している「有機物循環農法体験記」のコンクールに応募した農業経営者たちを中心に組織する経営研究会である。

 九州各地から今回の研修会に集まった会員は、野中保さん、植松俊行・百合子夫妻(以上鹿児島県)、矢野隆一さん、高木理有さん、森田毅さん、小牧一廣・妙子夫妻(以上熊本県)、重岡達雄さん、伊藤隆男・イツ子夫妻(以上福岡県)、それに大分県から参加した江藤一幸・由美夫妻の4組の夫婦を含む13名。

 会員に加え、スガノ農機社長の菅野祥孝さん、本誌執筆者の農業コンサルタント関祐二さん、九州支部の研修会には何度も参加している熊本ヤンマーの上島磯喜さん、それに事務局としてスガノ農機熊本営業所の福原豊さんと上川原和行さんも同行した。それに昆と宇佐見カメラマンを含めた18人の一行である。

 夫婦で参加する会員が多いのもこの研究会の特色である。男たちだけでなく夫人同士の交流が、さらに会を意義深いものにしている。会員たちは、家族でありビジネスパートナーでもある夫婦が、条件の違う優れた農業経営者夫婦と出会うことに、地域社会では得られない何かを感じているようだ。夫婦仲の良さもこの会の特徴かもしれない。もっとも、夫婦仲が悪くて農業経営が成り立つはずも無いのだが。

 今回の農業経営者ルポは、上地勝也・順子夫妻とともに彼等を訪ねた循環農研の仲間たちのことを紹介しようと思う。


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