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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

沖縄県北大東島・上地勝也さんの場合

 亜寒帯、寒帯域の冷涼な気候の下では、土壌改良がたとえ成功しても低温という制限因子によって生産力の向上はあまり期待できませんが、それに対して亜熱帯、熱帯域では、土壌の改良が進めばその可能性を秘めていると言えます。

 熱帯域の土壌は、高温と多雨の条件下で生成されます。温帯に比べて、土壌中の有機物は勿論のこと、無機物、特にケイ酸分が激しく溶けて、地中に流れ去ってしまいます。

 この時、マグネシウム、カリなども同時に失ってしまいます。

 この溶脱という現象が長い期間続くと、土はケイ酸分を失い、また様々な栄養分も失い、残った成分は、鉄とアルミニウムがその大半を占めるという状態のものになってしまいます。熱帯では温帯の8倍のスピードでケイ酸が溶け出します。

 このような土は、土というより土のぬけがらと表現してもよいものです。

 残存した鉄とアルミニウムの酸化物は、まっ赤な色を示し、熱帯の土がこの赤色を呈する原因となっています。

 さて、このような熱帯土壌の生成を念頭に入れつつ、今回の訪問先である、沖縄から東へ約400km離れた北大東島の土壌調査に出発しました。

 この南西諸島の気候は亜熱帯気候ですが、この地域に生成している熱帯性の土壌には、実は二種類あります。

 一つは、沖縄本島北部や西表島、石垣島などの丘陵の多い島に分布する赤い色の土で、これは前述の熱帯性土壌のでき方によって生成した土壌とストレートに理解すれば良いもので、深いところまで高温、多雨により風化作用をうけて強い酸性を示し、カルシュウムやカリなどほとんど溶け出してしまったことから、パイナップルのような好酸性作物の栽培に適しており、国頭(くにがみ)マージ(国頭は沖縄北部の地名、マージは赤土の意味)と呼ばれています。

 これに対して、沖縄本島中南部、宮古島、沖永良部島、喜界島、北大東島、南大東島などは、古い時代のサンゴ礁が石灰岩に変化し、それが、亜熱帯気候下で激しく風化作用を受けたもので、石灰岩台地上に生成した赤い土という形態になります。

 これは島尻マージと称されて、石灰岩由来の石灰分によりpHは高く、また生成した土層は数十センチ程にしか発達していないのが特長です。

 では、北大東島における土壌調査から報告していきますが、亜熱帯の気候からくる有機物分解の激しさを物語るように、腐植が下層部は勿論のこと、上層部にも全くといってよいほど含まれていません。

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