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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

沖縄県北大東島・上地勝也さんの場合

 これは、有機物としては、サトウキビの収穫残渣しか土に返していないということですが、この熱帯性の土壌は実は、有機物の施用効果は大変に大きい土なのです。

 与えても、すぐ分解してしまい、効果などないと思い込んで、その努力をしないことは大きな誤りです。

 有機物の分解過程で無機成分がバランスよく放出され、また微生物相が豊かになることなどが挙げられますが、それ以外にも、この石灰岩由来の赤色土特有の強い粘性の改善にも役立ちます。

 この土壌はサトウキビの求めるpHには適したものですが、島の第二の農産物として普及してきた早出しのジャガイモ栽培には、酸性土壌の方が適しているので、この点が大変注意すべき事です。

 収量増加もまた連作によるそうか病発生の危険も、pHを低下させることが、一つのキーとなりますが、それはなかなか難しいことです。

 難しいというのは、日本は酸性土壌がその大半で、アルカリ性を酸性にする技術は、あまり実施されていないからです。

 次に北大東島では、畑地基盤整備事業をかなり手掛けていて、今回もその工事現場を何ヶ所か視察したのですが、島尻マージ特有の土層が深くなく、数十センチぐらいであるため、作土層を確保すること、また、下層にある石灰岩の処理にかなりコストがかかることが現場で分かりました。

 そして基盤整備における注意点として、一区画の大きな圃場を作り、かつ全体の雨水の排水対策をかなり考えて実施しないと、湿害を強く受ける箇所ができてしまうことです。

 ただし、土壌そのものは、冬季に風化させて積み上げていたようですので、それほどの心配はないのかもしれませんが、下層部の粘性の強い、固く締め付けられた土の塊を、そのままブルドーザーでまき出して、圃場に拡げてしまうようなことをした場合は、地下水の移動は悪くなること必至と考えます。

 それと、この島では、サトウキビ栽培に、点滴灌漑を広い面積で導入しているということで話しを聞いていましたが、その現場を実際に見て、やはり点滴灌漑は、ごく近いうちに灌水の一般技術として定着する日が近いことも印象として残りました。

 いずれにしても、土壌中から、鉄とアルミニュウムを残して、かなりの栄養分を溶脱してしまった過程を経た熱帯性土壌ですが、その取り組み方によっては、ブラジルのセラードの開発地のように、世界でトップの農業生産基地に変るのですから、この赤い土には多くの未来を託してよいと考えます。

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