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土門「辛」聞

減反破綻の象徴的舞台となるか大潟村

 そんな中、村の農業は「勝ち組」と「負け組」の色分けが一気に進む気配が出てきた。技術力と経営センスのある者は「勝ち組」。そうでない者は「負け組」と、この村にも世の常が浸透してきたのである。


減反補助金で借金チャラ作戦

 大潟村にも多額の負債を抱えた農家が何人もいる。15haという規模、米価バブルの余波なのか、借金の額も半端ではない。

 この村で減反遵守派のショーウィンドウ的な役割を果たしていた農家が、昨年末のNHKの番組に出演して7000万円もの借金を抱えて生活が苦しいと訴えておられた。事情通に聞けば、7000万円以上の負債を抱えている農家は農家戸数(約500戸)の約1割はあるという。村内の事情通に聞けば、借金農家は自由作付け派にも減反遵守派にもいて、借金の原因をたぐると、技術が低く生活態度にも問題があったらしい。内訳は、やはり減反遵守派の方が多い。

 農協組合長が、多額の固定化負債を抱えた借金農家の整理に踏み切ると公言したのは、昨年のことだった。大潟村農協の組合長は、例の減反協力した場合の緊急一時金を返済原資に充てようという「仰天プラン」をぶち挙げてきたのである。村内の事情通はこう語る。

 「減反に応じれば10aあたり4万円程度の産地作り交付金が入る。15haなら600万円だ。これに緊急一時金を上乗せして借金整理の財源を作ろうというのだ。緊急対策では、期間5年、上限100万円という条件がついている。農協組合長はその上限を取り払ってもらい、15ha全面積に緊急一時金を出してもらうことだった。既に減反に取り組んでいた農家なら、コメを作っていた10ha部分に10aあたり3万円の緊急一時金が支払われる。これなら300万円になる。これで離農させて農地を貸し出すのである。村の小作料は10a3万円が水準だ。産地作り交付金、緊急一時金、小作料を合わせると、年間1300万円になる。これを借金整理に充てれば、7000万円近い借金でも、5年か6年で農地を手放さずに借金チャラということになる。借金農家は住む家も残るので、秋田市内へでも働きに出かけてもらうということのようだ」

 この仰天プランが成立する前提は、緊急一時金の上限(1農家当たり100万円)と期間(5年)を青天井にしてもらうことだ。これを実現するため、農協組合長は永田町と霞ヶ関へ陳情に出向いたという。減反に協力させたい自民党や農水省の弱みにつけ込んだ、小知恵が効いた返済プランと言えないだろうか。

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