ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

静岡県清水市・杉山隆良さんの場合

急斜面にへばりつくような畑地では合理的な農業経営は不可能であり、平坦で大工簿な畑地を提供する畑地基盤整備事業が多く望まれている。しかし、農業生産面から見ると、従来の整備手法では土壌構造が破壊される、耕土厚が60cmと限られているなど、問題点が山積している。静岡県清水市梅島地区でお茶の栽培に取り組む杉山隆良さんの場合
関: 杉山さんは、この整備地から少し離れたところで農業をされておられるとのことですが。

杉山: はい。水稲とみかん、花木、お茶をやっていて、全部で7haほどです。この整備地は57haほどですが、私がやっているのは、その中の35aほどで、ここには、去年の春、2年性のお茶の苗を植えました。

関: 大型の造成をすると土壌構造が壊れ、排水性・通気性ともに破壊されてしまうことが多いのです。

杉山: そうですね。初めは水みちが出来ていないものですから、這っていかなかければならないほどジャブジャブしていました。でも3ヶ月ほどでおさまりました。

関: それはここの土が砂質の土壌を主体としていて、まだ風化途中の砂岩があることでそこに水みちができていったからだと思います。

杉山: ところが今度は表面がものすごく乾燥するので、もみ殻やわらを入れて表面の保水性を上げる必要が出て来ました。

関: そうでしょう。

杉山: とにかく、まず地力を回復しようと考え、この土地で自然に生える雑草を生やさせました。

関: 緑肥と同じ発想ですね。

杉山: そうです。それに表層にいる微生物を殺さないためには年間を通した地温の変動を小さくする必要があると考え、そのためには土を裸にしないことだと思ったのです。畝間に生えた雑草も生えきったところで切るのですが、完全になくなるようにはしないで、常に土が裸にならないようにしています。

関: 杉山さんは、今回、丸山販売(株)さんによる資材のテスト事例として点滴チューブを導入されておられますが。

杉山: これからは全体として有機栽培の方向へ転換していこうと考えたからです。点滴チューブでは、魚のあらを木酢で溶かしたものを与えます。これは表層の微生物の活性化をはかるためです。化学肥料の時は60kg(窒素成分)だったのをぼかしで40kgまで減らそうと思いました。それによって病気もでなくなるし、虫も減る。ぼかしは、ぬか、魚かす、種かす、ゴマかす、大豆かす、コーヒーかすを混ぜて発酵させたものを使っています。

関: 本来、茶樹が持ち出す窒素成分は、20kg程度なのです。過剰な施肥体系を改善することによって、木が健康的なものになり、そういった意味でも、今後点滴灌水は有効な手段となっていくと思います。

関連記事

powered by weblio