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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

静岡県清水市・杉山隆良さんの場合

 それは、過湿害を受けやすいところは、通気も同時に悪いのですが、この点滴方式は、土壌内の酸素の供給、つまり換気の機能もしてくれるのです。

 そして、過湿害を受けているところでも表面近くの根は何とか活性化することができるので、作物は、全体としては、健全な生育をしてくれます。

 事実、この現場の隣の畑は点滴チューブを使用しない慣行法による栽培でしたが、杉山さんの畑と比較すると、はっきりとした生育差が認められました。

 この過湿害を受けやすい畑での点滴灌漑の効果は、もっとアピールしたいものです。

 次に、杉山さんは、微生物性の改善策として、チッソ施肥料を減らし、施肥の合理健全化に取り組んでいるとのことでした。ベースとしては、ぼかし肥を作物のごく近くにまき、これに点滴チューブで、魚の抽出液を与えていくというもので、有機液肥のかたちを積極的に利用しているものでした。

 新規に造成された微生物相の極めて貧弱な土壌に、堆肥を入れることも一つの方法ですが、排水の不完全なところに堆肥や緑肥を入れると、異常還元により逆に根を傷める害作用をおこす可能性があります。

 そこで、表面にぼかし肥料を施用して、それに有機液肥を少しづつ与えるということで、微生物相の活性化をはかるというのは、低コスト、効果大と考えます。

 点滴チューブで、高価な市販の液肥を与えてコストに頭を痛めている人がいたら、是非この方法は検討の余地があると思います。

 平坦な畑地を土木工事によって強引に作り出す農地造成事業は、今後も必要なことかもしれませんが、この砂岩系の清水市梅島地区でも、従来通りの土壌とは全く違った圃場管理を求められることがあるのですから、粘質土では尚更です。

 また、公共事業の規制の範囲内でしか、工事が実施され得ないことも、今後畑地の基盤整備に取り組む予定があるところでは、充分に検討されてしかるべきだと思います。

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