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特集

お天気先取りの経営戦略

 今年は冷害になるのか、少雨で干ばつになるのか?誰でもが気になるところである。しかし、長期予報はほとんど当てにならない。「たとえ50%当たっていたとしても、それをあてにしていてはリスクが大きすぎる。長期予報は不必要。」と勝部さん。

 テレビ、ラジオ、電話、ファックス、コンピューターと気象情報を取り出す手段は多い。しかし、テレビ、ラジオ、電話ではより地域を限定した予報や細かなデータを入手することはできない。また、ファックスサービスの場合、細かな情報を入手することはできるが、多くのデータを入手しようとした場合、使用する用紙がかさみ、物理的な困難さを伴う。人によっては3日に1本の感熱紙のロールを消費してしまうという。

 北海道寿都村の玉手さんは「今の若い農業者の中には天気図を見る人たちが増えてきている」と言っていた。勝部さんも「農家形態に差が出てきているように、気象情報も全部の農家を同じまな板の上に載せて考えていてはいけないのではないか」と考えている。

 農業試験場の中にはインターネット上に、病害虫情報、農薬・技術情報を載せているところもある。勝部さんも北海道中央試験場の出す病害虫情報を利用する。道南でムシが発生すると大気に乗って運ばれてくる。いつ道南で発生し、いつごろ自分たちのところに来るのかは、気象状態が分かれば予察できる。

 気象情報は(1)自分の畑がどうなのかというピンポイントの情報、(2)周りの地域の気象状態に関する情報、(3)衛星写真や、気圧配置図のような、日本を含む極東一帯の情報が必要になる。(2)は短時間の予想をするのに必要であり、(3)は短日間の予想をするのに必要である。(3)は既に提供されている。栗山町は先駆け的存在であるが、他の地域でも(1)はこれから提供されていくであろう。しかしそれに当たって、勝部さんの言う「周りの地域の空気の温度、雨量、湿度のデータが取れない」((2)の部分)という状況をどうしていくのか、改善の余地があるのであろう。

 北海道に比べ府県では、地形に起伏があり、同じ地域でも山間地と平地では気候が異なる。つまり、より小さなメッシュでの気象情報が必要となる。そういった府県のニーズに合う気象情報サービスがこれから増えていくであろう。

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