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特集

お天気先取りの経営戦略

KISSについて

 北海道夕張郡栗山町が農業振興の一環として平成5年よりスタートしたのが、農業情報システムKISS(Kuriyama Information Service System)である。JA栗山内に設置された情報センターにあるコンピューターと町内約700戸の生産者が公衆回線またはISDN回線で結ばれている。これは「農業・農村の情報化」というテーマでの事業としては、全国で初めてのものであった。

 面積203・84平方キロメートルの栗山町内には現在7カ所に気象ロボットが設置され、5kmメッシュで自動観測された情報が1時間おきに情報センターに蓄積され、それが千葉県幕張市のウエザーニュース社に配信されている。そのデータとウエザーニュース社のデータを基に栗山町の気象状況、局所予報が提供されている。

 この事業費のほとんどは行政が負担しており、農家1戸につき、毎月1000円の運営協力金と通話料で利用することができる。

 多機能ファクシミリやコンピューターで情報は24時間引き出すことが可能で、気象情報、定期作況状況等をしらせる営農情報、行政のニュース等の生活情報、札幌の市場を中心とした流通情報、農業関係リンクなどが提供されている。気象情報としては、3時間毎24時間の予報(降雨、気温、風向、風速、天気傾向)とレーダーアメダス合成図が提供されている。

 なぜウエザーニュース社の情報を利用しているのかという問いに対して、JA栗山営農部佐々木禎情報センター長は、「まず情報の質です。ウエザーニュースの担当の人が現地を見に来て情報の精度を増すための努力をしています。それと、種々の点で直接電話でコミュニケーション(情報センターからの)が取れるところにあります。」とのことであった。もちろん気象庁ではそういったサービスはやっていない。

 現在、気象情報を提供している地域センターは徐々にだが増え始めている。しかし、そういった所でも利用率はあまり高くないのが現状だ。整備状況、利用状況、実績でトップレベルにあると自負する栗山町情報センターへのアクセス件数は確かに多い。気象情報へのアクセスは年間16000件を越えていると言う。

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