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農業経営者ルポ「この人この経営」

緑の牧場から食卓まで

 実現のためには、敷地を拡大する必要がある。そのため現在、隣接地の購入を検討しているという。いずれは農業をキーワードにした公園やテーマパーク、博物館、図書館をと、壮大な夢が広がる。言葉だけなら誇大妄想に思えることも、サイボク53年の実績の前では期待と共感に変わる。農業を「実現可能な夢」として語れる笹崎マジック……いや、笹崎社長は比類なき農業人だが魔術師ではない。

「紙のお札も鉄の自動車も食べられないでしょうが」

「食」の生産者としての誇りが、この人のエネルギーを生み出す根源だと思う。農業こそが人間の叡智を結集させて取り組むべき総合産業なのだという自負が、創業53年の年輪とともに体中から滲み出てくる。そんな希代の経営者は未来を見据えて言う。「やればできる。できないのは、やらないからだ。これが私の信念です」

 1年365日、今でも社長室に顔を出さない日はない。


株式会社 埼玉種畜牧場 代表取締役
笹崎達雄さん

【プロフィール】大正5年、長野県生まれ。昭和15年、東京高等農林学校(現・東京農工大学農学部獣医学科)卒業。同年、陸軍獣医学部将校として戦地へ。昭和21年に帰還後、(株)埼玉種畜牧場を創設。以後、家畜の育種改良につとめ養豚技術の発展に多大な功績を残す。また独自の経営理念のもとでミートピア事業を展開、生産からサービスまでを貫く完全一貫経営の農業を提唱、実践しつづけている。著書に『養豚大成』『ミートピア創造の詩』『楽農文化の時代』『「楽農」革命~農業再生が日本を救う』など多数。

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