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読み切り

農業者の誇りとオゾン層

今から5億年前の地球を想像してみて下さい。青い海、澄みきった空―そこには現代と変わらない美しい地球の姿があります。ただ、陸上が生命の存在しない死の世界だということを除いては…。
1 地球を守るオゾン層


 今から5億年前の地球を想像してみて下さい。青い海、澄みきった空―そこには現代と変わらない美しい地球の姿があります。ただ、陸上が生命の存在しない死の世界だということを除いては…。

 地球上に最初の陸上植物が現われたのは今から約4億2500万年前。それまで陸上は生物の存在しない死の世界でした。太陽からの有害な紫外線が地上に降り注ぎ、細胞の遺伝子を焼きつくすためです。ではなぜ地球は緑の星に変わったのでしょうか?それは、大気中に「オゾン層」ができたからです。

 オゾン層とは、地上15km~40kmに広がるオゾン(O3)の層です。ジェット機の飛ぶ高さの2倍ぐらい、まっすぐ歩けば5時間ぐらいの地上20km付近の成層圏にオゾン層の中心はあります。ただし、オゾンはとても濃度が薄いので、大気圧に直すとわずか3mm程度にしかなりません。この3mmの薄いティッシュペーパーのようなオゾン層が宇宙服となって、太陽からの有害な紫外線(UV―bといいます)を吸収してくれるおかげで、私たちは安心して昼間外を歩けるというわけです。

 オゾン層が今のような姿になるまでには、地球の誕生から約42億年という途方もない時間がかかっています。しかし、このオゾン層がわずか40年ぐらいの間に大変な勢いで壊れていることをご存知でしょうか?ニュースなどで聞いたことがあるかもしれませんが、毎年9月から12月にかけて南極に現れるオゾンホール。これがオゾン層破壊のすさまじさを表しています。

 オゾン層は、クーラーなどに使うフロンや消火剤のハロンなどの「オゾン層破壊物質」によって破壊されてしまいます。このため、国際的な条約であるモントリオール議定書に基づき、世界各国はオゾン層破壊物質の生産規制を行っています。先進国では特定フロン(CFCといいます)やハロンについてはすでに生産を全廃し、現在は代替フロンであるHCFCの削減に取り組んでいます。


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