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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

岩手県岩手郡・庄司有弘さんの場合

連作障害をどう解決するかは、畑作経営の中で最大の課題と言える。堆肥を施用しても、その成分が土壌と馴染むまでは作物にとって却って障害となることもある。土壌と堆肥の熟成の仲立ちとして緑肥を積極的に利用し、長イモ栽培に取り組む岩手県滝沢村・庄司有弘さんの場合
関: 長イモは安定的に作り続けることの難しい作物と聞いています。有機に取り組み始めた人の多くが、有機の効果がなかなか現れず、脱線したり揺らいだりしているのが現状です。長イモは多肥に弱いと言いますか、有機を多量に入れてもぱっと利く部類のものでなく、がまんしながら有機を与えていく必要があるのかと思うのですが、庄司さんはどのように有機へと転換してきたのでしょうか。

庄司: 4haを家族でどうやっていくか。圃場全部で野菜を作って果たしてやっていけるのか、と考えました。そして、まず輪作体系を組みながら、その中に緑肥を入れてみました。当時は大根を作っていましたが、間にソルゴーを入れました。作物が吸い上げる分の方が多く土地がみるみる痩せていくのが分かりました。そして、ピーマンにチャレンジしました。有機だけで、農薬を使わずによいものができたので、それを長イモに適用させようと考えたわけです。

 長イモで試行錯誤を重ねるうち、緑肥プラス堆肥という形がベストだと考えるようになりました。現在は、春に堆肥を入れて、それに緑肥を入れる。その年はぼうぼうの状態のままにして翌年の夏に刈る。そしてその次の年に長イモを植える。堆肥を入れた次の年では、まだ堆肥が土になじんでいないので、過剰なものがありダメです。過剰に吸ってしまうと作物は弱体化してしまいます。堆肥を入れてそれを緑肥に吸わせて、自然な形にして作物に与えるという考え方が必要だと思うのです。当時はソルゴーだけでしたが、現在はヘイオーツや豆科のクローバー(2種)、オーチャードを入れています。ヘイオーツは発育が早くクローバーは最初負けてしまうので、クローバーの播種量を増やすなどの試行錯誤を現在はやっています。土作りという点では形が固まってきたと思います。


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