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特集

『有機・無農薬』を超えて─
農産物の『安心』を伝えるために

農薬業界が達成した最近の技術革新および取り組み
座談会より、まとめ
 一般的な取り組みとしては、

(1)有効成分投下薬量の軽減。

(2)使用者(散布者)に対する安全性の改善。

(3)環境負荷の軽減。

(4)消費者への安全性の確保

(5)より作業効率的な剤型、包装

 がある。
 (1)有効成分投下薬量の軽減は、コスト軽減とあわせて、以下のすべての観点にかかわっている。以前は、除草剤では単一成分でのha投下薬量が1~3kg程度だったものが、最近では、10g程度で高い効果のある成分がでてきている。また、殺虫殺菌剤でも、低薬量化がすすんでいる。

 (2)使用者(散布者)に対する安全性の改善は、有効成分自体が急性毒性の低いものに置き換えられていることと、ある程度急性毒性の高いものでも現場で有効な成分は、製剤改良により安全に使えるものに改善されている。

 (3)環境負荷の軽減は、一般的に魚毒性が低い成分、環境蓄積性の低い成分へと置き換えることにより進められている。特に魚毒性は、地域行政からより高い制限が加えられており、安全なものでなければ現場で使用できなくなってきている。 また、環境の一つとして天敵生物への影響なども積極的にデータをとり開示するようになってきている。古い成分では、これら環境面において若干問題が残されている成分もあるが、現場での防除に支障をきたさないレベルにおいて、より安全な成分に置き換わってきている。

 (4)消費者への安全性の確保(残留農薬安全性)は、厚生省、農水省、環境庁の安全性評価が年々高くなってきており、新規成分に関しては世界最高水準の安全基準をクリアする必要がある。最近では、環境ホルモン的な影響も評価内容に加えられており、これらの安全基準のアップが開発コストのアップにもつながっている。古い成分についても、適宜、農薬登録再評価が行われており、新しい基準で順次評価されてきている。したがって、適正使用基準内で使用する限り、消費者への安全性の問題はないと考えてよい。

 (5)より作業効率的な剤型、包装は、農業機械メーカーなどとも協賛しながら進められている。高齢化、大規模化の進む日本の農業環境のニーズにあわせ、より効率的に防除ができるような処理方法も含めた製品が開発されている。環境負荷軽減、使用者への安全性等も考慮されている。

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