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【江刺の稲】
“志”と“自負”が求められる時代へ
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第43回 1999年09月01日
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本誌執筆者の土門剛氏は会員制の個人情報紙を発行している(申込先=0474-33-5400)。農林行政や農協・金融界に関しての解説とともに、土門氏ならではのメディアには出ない情報の収集分析が行われており、農業ビジネス、行政、政治にかかわる者にとっては得難い情報源である。そんな土門氏から聞いた話から話題を提供しようと思う。
今年の春から夏にかけて、いわゆる「怪文書」が農水省内と農協関係者の間にばらまかれていた。それは新食糧法作成の最高責任者であり「事務次官昇任間違いなし」と言われていた前食糧庁長官・堤秀隆氏をあの唐突の退任に追い込むためのものだった。さらにその後は高木事務次官にまつわる怪文書が出されているのだそうだ。
ある目的のために匿名あるいは勝手な名前を名乗って特定の人物を中傷する、いわゆる「怪文書」の中身を本誌で紹介するつもりはない。
土門氏によれば、堤氏辞任の理由について農水OBの与党議員からこんな話を聞いたそうだ。
与党議員曰く「堤さんは、詰め腹を切らされたんだな。大蔵省に。農水省は、旧住専処理の責任問題で何もケリをつけていないと言われたんだろう。旧住専処理といえば、当時、(堤さんは)経済局長をやっていて、大蔵省や銀行相手に損失分担交渉で辣腕を振るった。その時の恨みが、いまだに大蔵省にあるんだよ。それに農水省は大蔵省に弱みがある。来年度の中山間地対策で当初、500億円ほどカネを工面しなければならない。最後は大蔵に頭を下げることになるが、その前に、大蔵省サイドから、旧住専の落とし前をつけてこいと言われるに違いない。それで先回りして堤さんのクビを差し出したということではないか」
今年の春から夏にかけて、いわゆる「怪文書」が農水省内と農協関係者の間にばらまかれていた。それは新食糧法作成の最高責任者であり「事務次官昇任間違いなし」と言われていた前食糧庁長官・堤秀隆氏をあの唐突の退任に追い込むためのものだった。さらにその後は高木事務次官にまつわる怪文書が出されているのだそうだ。
ある目的のために匿名あるいは勝手な名前を名乗って特定の人物を中傷する、いわゆる「怪文書」の中身を本誌で紹介するつもりはない。
土門氏によれば、堤氏辞任の理由について農水OBの与党議員からこんな話を聞いたそうだ。
与党議員曰く「堤さんは、詰め腹を切らされたんだな。大蔵省に。農水省は、旧住専処理の責任問題で何もケリをつけていないと言われたんだろう。旧住専処理といえば、当時、(堤さんは)経済局長をやっていて、大蔵省や銀行相手に損失分担交渉で辣腕を振るった。その時の恨みが、いまだに大蔵省にあるんだよ。それに農水省は大蔵省に弱みがある。来年度の中山間地対策で当初、500億円ほどカネを工面しなければならない。最後は大蔵に頭を下げることになるが、その前に、大蔵省サイドから、旧住専の落とし前をつけてこいと言われるに違いない。それで先回りして堤さんのクビを差し出したということではないか」
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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