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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

山形県遊佐町・土門秀樹さんの場合

コメどころである山形県の庄内平野は、あらゆる面で稲の適地である。しかし、それであるが故に皆が水稲作を手放さず、却って規模拡大への壁となっている。その突破口としての施設園芸。排水性が悪く、水稲には適しても畑作には適さない粘土質土壌を改良するよりは、砂を客土することで物理性を高める。しかし、客土された砂も大事に使わないと長寿命は約束されない。水稲とユリの栽培に取り組む山形県遊佐町の土門秀樹さんの場合。
土門: この辺の土は排水が悪くて、減反して何かを作りたくてもできないのが現状です。冬は日照量も少ないですし、毎日秒速15m以上の風が吹きます。しかし、コメは桿が詰まって多収。病害も少ない。コメだけは多収穫地帯となっています。

関: 適地適作ということがあります。しかし、そこに補助事業が入ってきてそれだけでは成り立たなくなってきています。水田転作の場合も不適地不適作になっていることもあるわけです。まず基本的な土に対する考え方を得ることが必要なのですが。

 おコメはどの品種をなさっているのですか。

土門: 今年作っているのははえぬきだけです。初めは肥料をやりすぎましたね。そうすると食味値が悪い。そこでトータル窒素を低く抑えて、食味値が回復したんです。

関: 色々なところで食味のことが言われ、西南暖地などの暑いところだと8俵のラインを超えると食味がぐっと落ちます。色々な人が色々ことを言っていますが、西南暖地では答えは簡単、8俵で抑える作り方をすればだいたい米はうまくできるようです。

土門: こちらでも全く同じです。

関: 米をなぜ作るのかと言えば、手間がかからないからです。水田でプラウイングして深く起こすなどして多収に向かうということもありますが、西南暖地では、経営的にはそういったこわいことをするより、安全パイとしてある程度品質の確かなもの、夏越えをしてもいいものを作る。それが結論のように思えるのです。これは東北北海道ラインとは違う考え方なのかなと思っていたのですが、今の土門さんのお話を伺っていても共通の部分があるのかなと思えます。

土門: 山手の冷や水のかかるところはうまいと言われますが、山手は収量がとれないのです。平場でも収量を落とせばうまくなるのです。ところが平場は条件がよくて土が肥えているので、だまっていても10、11俵取れてしまう。その結果却ってうまくない。


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