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BOOK REVIEW

たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する

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著者:レナード・ムロディナウ
翻訳:田中三彦
定価:2,100円(税込)
 出版社:ダイヤモンド社


必然という思い込みを捨てるために


「ハリー・ポッターがヒットしたのは面白かったから」「ビル・ゲイツが成功したのは才能があったから」。我われは、そんな目で世の中を見がちだ。反対に、売れなかった商品は「時代に合わなかったから」と評価される。だが本書は、そうした見方には科学的な根拠がなく、ただの偏見だと膨大な実例から示す。それでは一体、ビル・ゲイツの成功の秘密は何なのか。物理学者の著者にいわせれば、それはタイトルにあるように「たまたま」、つまり偶然なのだという。

そんなアホな、と思うかもしれない。しかし、あのホーキング博士も絶賛しただけあって、著者の主張には説得力がある。ただの偶然を、必然と勘違いしてきたのが人間だと著者はいう。身も蓋もない主張にも聞こえるが、逆に言えば「自分には才能がない」などと悩む必要はないということだ。

あらゆることが偶然だとすれば、それを起こしやすくするには確率を上げればいいということなる。つまり世界の根本法則は「数打ちゃ当たる」に尽きるというのだ。(田中真知)


レナード・ムロディナウ
ダイヤモンド社
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