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特別企画

山から海までの環境サイクルを生かし、農水産物を生産流通

100%天然の森林資源から生産したネッカリッチを活用し、頑固に、より健康的で美味しい農水産物とその加工品を生産、供給している「がんこ村」。その考え方の基本には、山、川、海を繋いだ環境サイクルを復活するための循環農業を目指した試みがある。
国有林の造林作業を手伝うことからスタート



昆:御社はもともと林業家といいますか、山を守ってこられ、そうすることで畑を守り、川を守り、海を守ってこられたということですが…。

岩切社長:私どもは九州産業株式会社としてチップ工場を昭和33年からやっています。王子製紙という製紙会社がありますが、そこへ紙の原料であるチップを納入していたわけです。その量は九州一でした。

 戦後の国の方針は、山に雑木を植えているよりも、杉や檜のようなものを植えた方が良いという思想だったんです。我々も何やかんやで500町歩くらい国有林の植林をお手伝いさせて頂きました。自分の山だったら誰でもやると思いますが、国有林ですからね。そういうことを繰り返してゆくうちに実績ができ、低質材をチップとして紙の原料として使わせて頂いているんです。

 私たちがなぜ国の仕事をお手伝いさせていただいたのかというと、私の前の社長はやはり林学部を出まして、台湾で造林、植林、木を育てることを専門に役所でやっていたわけです。そして戦後帰ってきまして、『木を切ることは、木の命を断つことだ。従って木の命を断つからには必ず木を植えて返しなさい』という考えを持っていました。確かに木を切って家具を作ったり、高度に活用するわけですけど、木の命を断つことには変わりない。だから「1本切ったら3本植えなさい」と。それで私どもは、終戦後木を植えることを勉強し、林野庁の国有林の造林事業の仕事を手伝うようになったんです。

 宮崎県の辺りでは、杉や檜を拡大造林する一方で雑木をどんどん切り倒していました。しかも間伐などの作業も十分にできていない状況だったんです。しかし実は雑木と言われる常緑広葉樹は、杉などに比べて非常によく根を横に張り、保水力の面でも、山に栄養分を貯えるという意味でもなくてはならないものです。そしてその影響は実は山だけではなく、川や海の環境にも影響を及ぼし、魚も取れなくなってしまったんです。自然のサイクルというのが完全に壊れてしまっているんですね。これが今の日本の山の一番の問題だと思います。

昆:実際に北海道や宮城などで、漁協の人たちが山に草を植えに行くという話を聞いたことがあります。

岩切:宮崎でもそうです。そこで私たちは正常な環境サイクルを復活させるために今度は間伐作業のお手伝いを始め、その間伐材を利用させてもらうことになり、その延長で生まれたのがネッカリッチです。


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