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知っているようで知らないコシヒカリの話
コシヒカリが登場してから半世紀以上が経過した。現在、そのシェアは作付面積で全国の4割弱を占める。さらに第2~5位もコシヒカリの血を引く品種で、それらも合わせると6割強にもなるという。それだけコシヒカリがブランドとして定着したということになる。
一方、現在の消費者は多様性というキーワードが好きだ。ところが米の品種に限っては「コシヒカリ一辺倒」という矛盾がある。本書ではコシヒカリの品種に含まれる多様性と、すでに原種がなくなっているという現実について語られている。そこで著者は、植物遺伝学という立場から、コシヒカリとは何かという根本的な問題を問いかける。品種についても「うまさ」についても知識が乏しい昨今の消費者にとっては、目から鱗が落ちる話だろう。
ブランドを選ぶのではなく「うまさ」でコメを選ぶ時代がやってきている。そんな時代に生き残るために、是非手に取っていただきたい。偽コシヒカリ問題、品種交配の現場、そしてコシヒカリの誕生秘話もこの一冊読めばわかる。(加藤祐子)
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