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まだこの国を出られないあなたに
機関銃のように出版される大前研一の本。半分くらい「大前センセイ、これどこか他でも書いていましたね…」という気もするが、つい手にとってしまうのは一冊に数ヵ所、ギラリと光る洞察があるから。それに実はこの人、農業にも結構目配りしているから目が離せない。「この10年で使った農業補助金があれば、穀物メジャー4社をすべて買える」と言って反発を買えば、返す刀で「日本人は農業やコメのこことなると、すぐに感情的になる。その姿勢がかえって自分の首を絞めている」と切りつける。
だからタイトルを見た途端、「とうとう大前センセイが農業本?」と驚いた。でも違った。現状に満足して、それが永遠に続くと勘違いしているのは農業会だけではない。若者から働き盛りのサラリーマンまで、多くの日本人に共通するのは「そこそこの生活ができればいい」という内向きな意識。その臆病さを、ユニクロの柳井正氏と猛烈に説教してくれる。でも最後はちゃんと「役人支配のタガが外れた日本人は強い」と、やる気にさせてしまうから、やはり頼りになるセンセイなのだ。(長谷川竜生)
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