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「食の基本知識」でメディアの情報を読み解く
「フードファディズム」とは、健康や病気に対する栄養の影響を過大に信じることである。「がんの予防に効く」「肝機能を助ける」「コレステロールを抑える」など、新聞やテレビで目にする謳い文句に振り回されて過剰反応するのはその一例だ。わが家の冷蔵庫、食卓を振り返ってみても、健康のためと称して購入した食品の存在にふと思いあたる。
本書はこの概念を日本に初めて紹介した食情報の第一人者、高橋久仁子氏による提言の書である。マスメディアから流れる種々雑多の食情報には、フードファスディズムが充ち満ちていることを警告し、これらの食情報との付き合い方を示してくれる。食べ物をおいしさで選ぶのではなく、「健康に良いか、悪いか」で選ぶ風潮を指摘する切り口は興味深い。訴えているのは、情報を受け取る側がその情報を正しく、偏りなく読み解く能力「メディアリテラシー」を身に付ける必要性だ。
「健康食品」で健康は買えるかという問いかけが印象的に映った。健康な食生活を見つめ直す機会を得られる、おすすめの一冊である。 (加藤祐子)
フードファディズム―メディアに惑わされない食生活
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高橋 久仁子
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