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わけのわからない未来を生き抜くために
「日本人は本を読まなくなった」「最近の日本人は劣化してしまった」「今のテレビは堕落してしまった」「日本の農業は危機的だ」――どれもよく耳にする言葉だが、これらはいずれも「誰もがそう思っているはずなので、言っても平気なこと」である。
現在のメディアには、こうした種類の言説が溢れている。それらの言葉を受け手が援用することが、時代との一体感に結びつく。だが、本来メディアの役割とは「誰かが言いそうなことを言うのではなく、自分が言わないと、たぶん誰も言わないこと」を述べ伝えるものだった。
本書はメディア批判の書ではない。個人の中に無意識に刷り込まれた思考や判断のパターンを自覚し、それを剥がしていくためのレッスンの書である。この著者ならではの思いもよらない見方や思考の筋道をたどるのは、ときにかさぶたを剥がされるような痛みを伴うかもしれないが、それがいつしか快感になる。(田中真知)
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