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BOOK REVIEW

ミミズの話

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著者:エイミィ・ステュワート
翻訳:今西康子
定価:1,785円(税込)
 出版社:飛鳥新社


小さな生きもの、ミミズの知られざる生態

土を耕す、それは何も人間だけ行う作業でない。太古の昔から生息しているミミズたちの消化管を通って地球上の表層は耕され、土壌が形成されて今の生態系があるのだ。かの有名な進化論を提示した19世紀の科学者チャールズ・ダーウィンはそこに注目してミミズを研究し続け晩年に『ミミズと土』を著したほどにみせられていた。

本書は著書がコンポスト容器で飼っているシマミミズの話を軸に、ダーウィンとミミズの物語を綴っている。単なるミミズコンポストの手引き書ではなく、ミミズの生態や行動を通して、未知の地下世界を地質学的な時間軸で案内してくれる。人間は時に身勝手で、ミミズの生物学的な特性を自分たちの利害だけでとらえがちだ。しかし、自然の秩序にのっとって、休みなく働くミミズの姿が教えてくれるのは「微々たる変化の積み重ねが大きな結果をもたらす」ということではないだろうか。

畑で土と向き合う時間から、土の中に広がる未知なる世界の営みに思いを馳せてはいかがだろうか。(加藤祐子)


ミミズの話
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エイミィ・ステュワート
飛鳥新社
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