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漫画で学ぶ農村再建法
「農業界で尊敬する人物は?」ときかれれば、著者は迷わず「二宮尊徳翁」と答える。通称、二宮金次郎。背中に薪を背負って読書する銅像で有名な、江戸時代後期に活躍した農政家である。
彼は「報徳仕法」と呼ばれる指導方法で、経済破綻した600ヵ所以上の農村や藩領を復興した。資本主義経済の理想的な精神を体現した人物だが、現代社会での評価はさほど高くない。かつて小中学校に鎮座していた銅像も、近頃では児童が真似をすると交通事故の危険があるという理由で撤去される有様である。加えて尊徳翁は補助金を謝絶する指導を行なっていたので、現在の文部科学省や農林水産省にとっては目障りな存在なのかもしれない。
しかし、補助金依存型の政策が進む今こそ、その対極にある尊徳翁の思想を復権させるべきだと筆者は考える。本書は『報徳記』と『二宮翁夜話』を漫画化したもので、苦難に満ちた幼少時代から、詐欺師扱いされながらも農振復興に挑戦し続けた生き様が見事に描かれている。現在に生きる農業経営者にも役に立つ良書である。(農援隊・後藤芳宏)
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