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成熟社会の先端産業は農業だ
戦後日本の農業政策は、コメを中心に国内市場対象とした内向き構造の中で展開されてきた。そのあり方に疑問を持ちながらも、大抵の人にとっては理解できないのが実状だ。農業は衰退産業であるという意識を持ち抽象的に伝えられる情報を鵜呑みにしてしまっている。
本書の著者は、農政に詳しいだけでなく現場の状況も知り尽くしている大泉一貫氏。本誌でもお馴染みの同氏が、日本農業の本来の姿を振り返り、農政の実態を理論的にかつ国内外の実例を踏まえて易しく説明してくれる。
日本の農業を成長させ、国際化を進める命題を解くためには発想の転換が必要である。「遅れた産業だという認識はもはや古い。農業は成熟社会の先端産業であり、フロンティアがあまたある産業である」と著者が鼓舞する通り、日本の農業が持つ可能性は広がっている。あとはそれを実現するビジネスモデルと、力強い農業経営者が必要なだけである。政治に翻弄された農業から、現場が主導する農業への転換は、既に始まっている。(加藤祐子)
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