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BOOK REVIEW

脱「ひとり勝ち」文明論

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著者:清水浩
定価:1,575円(税込)
 出版社:ミシマ社


持たざるものに幸あれ

デキるやつ、もてるやつは競合を出し抜いて「ひとり勝ち」する。先進国の「ひとり勝ち」、それが20世紀型の文明論だとするなら、いまなぜ若者たちが「世界はどんどん悪くなっている」と感じるのだろう……。

自動車の常識を超えた電気自動車「エリカ」の開発者である著者は、太陽電池と電気自動車の普及こそがデキないやつも持たざるものも幸福にする21世紀型文明論のモデルだと訴える。そんな“脱ひとり勝ち”論は、中国など新興国の経済成長から遅れをとり、資源小国であって食料の輸入大国である日本の、これからの選択を考えるうえで大いに示唆的である。

ナンバーワン奪回を目指すのではなく、自分の特技を生かすオンリーワンの存在へ、という発想の転換にも通じるが、地域・地方こそ豊かで楽しい……というコンセプトの人気番組「秘密のケンミンSHOW」を思い浮かべた。すでに日本では東京の「ひとり勝ち」の時代が終わりを告げているのかもしれない。(小林彰一)


脱「ひとり勝ち」文明論
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清水 浩
ミシマ社
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