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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

石川県鶴来町・中本正弘さんの場合

機械化体系の導入による大規模化が難しい葉物の周年栽培。安定した雇用と生産過程の合理化が、そこからの脱却と周年安定生産へと導く。しかし、そんな中にも土壌障害は深刻な問題として立ちはだかる。小松菜、ホウレンソウの大規模周年栽培を行う石川県鶴来町・中本正弘さんの場合。
関: 葉物を主体に経営をされていると伺っていますが。

中本: はい。小松菜が7、ホウレンソウが3ぐらいの割合で、この2品目が全体の9割を占めています。それと、トウモロコシ、レタス、キャベツが少しです。この5月から直売所を始めまして、そこで一番売れるのはやはりトマトです。その品揃えのため、作る品目を増やす必要を感じています。

関: 中本さんのところは、ハウスが3.5ヘクタールと伺っていますが、こちらに集中して。

中本: そうです。一箇所にした方が効率的で、近所の人にお願いをして団地化をしました。

関: 年に何作やられているのですか。

中本: 年9作です。最近根こぶ病が出て。それと、土が酸性なのです。土中のカルシウムや苦土の量が多いので、カルシウムを入れられず、改良が難しいところなのです。

関: 土壌分析表を見せて頂きましたが、現在の土の成分という点では、丁度よいと言いますか、これ以上入れられないなと思いました。また、野菜を何作もやってきている人はカリが過剰になるという傾向があるのですが、カリを抑えているところは素晴らしいと思います。酸性を改良するということに関して、交換性のカルシウムなどはほぼ一杯でもうあげたくないので、硫酸カルシウムのようなタイプがあるかと思います。しかしこれだと石灰しか入りません。やはり、他の微量要素などもあるという点からも転炉滓を導入するのがよいのではないでしょうか。私がこの分析表を見て一番問題だと思われるのは、有効態リン酸の値です。突出して大きい。これは影響が出てきてしまう。何かリン酸資材を使われていますか。

中本: いいえ。最近入れているのは魚粉と有機入りの化成(10―10―10)です。これはなるべく使いたくないのですが、これしかないので。

関: 酸性という点についてですが、ホウレンソウでpH5.5位というのは確かにやや低いのですが、ECがそれほど高くありませんから、このくらいのpHは大きな問題となる値ではないと思います。硝酸の値が高くpHが下がっていると問題となりますが、中本さんの場合、硝酸の値が高くありません。

中本: しかし生育が悪く、伸びがないのです。


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